2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560705
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
稲石 正明 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (30168398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 逸人 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (40361802)
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Keywords | 海洋工学 / エージェント / 複雑系 / 船舶運航 / 群行動 / シミュレーション |
Research Abstract |
船舶運航場を複雑系として捉え、その環境場を構成するオブジェクトの相互作用を表現できる、相互干渉型の運航環境表現モデルおよび船舶群行動モデルを、実際の海域の交通流に対応できるように改良を加えた。改良したモデルの評価を行うために、東京湾周辺海域をシミュレーション対象海域に選び、海域特有の地形データや航行条件等を収集し整理を行った。はじめに、浦賀水道航路を中心とする東京湾を北航する交通流についてシミュレーションを行った。船舶エージェント群が船舶集団の合流と離脱、変針や衝突回避動作、障害物の回避、屈曲した航路の航行を行いながら北航し、横浜、東京および千葉の港に入港する様子を再現した。船舶の初期間隔を変化させたシミュレーションを行い、群れの横幅、交通量に及ぼす影響、船舶との衝突が発生する海域、航路からの逸脱が発生する海域について評価を行い、交通流の表現特性や船舶エージェントの行動特性について検討を加えた。次に、船舶の操縦性能を表現できるエフェクタ機能を搭載した多種類の船舶エージェントを用いて、東京湾の北航と南航の交通流の再現を試みた。交通流表現の特性値として、船舶エージェント間のニアミス頻度、航路からの逸脱頻度および東京湾を航行している船舶数を採用し、浦賀水道南端の航行船舶数を変化させてシミュレーションを行った。複雑で多様な見合い関係が存在する東京湾における、船舶エージェントによる交通流の表現特性について検討を行った。船舶エージェント間のニアミスや航路からの逸脱が発生する海域を示し、発生の時期に周期性がないことを示した。船種を統一すること(操縦性能を統一することに相当)や航海速力を統一することは、ニアミスや航路逸脱の発生頻度を低下させる効果があることを示した。そして、得られた成果を学会に公表した。
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Research Products
(2 results)