2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570195
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 謙一 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 室長 (30131923)
米田 穣 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究員 (30280712)
|
Keywords | 古人骨 / 沖縄人 / 琉球列島 / 発掘調査 / 貝塚時代 / グスク |
Research Abstract |
具志川グスクは過去に2度の発掘調査が行われ、貝塚時代後期終末期から15世紀中頃の遺構や遺物が検出されている。本プロジェクトではグスク南西側崖下地区の発掘調査を企画した。この地区は平成7年の具志川市教育委員会および昨年我々が行った試掘調査によって、グスク時代の遺物のほか、弥生時代中期とされる九州系土器と多数の人骨が確認されており、貝塚時代からグスク時代の人びとの生活解明に、考古学、人類学双方から取り組むことの出来る貴重な遺跡である。 プロジェクト初年度である平成17年度は、既に試掘によって確認されているグスク時代および弥生時代の包含層の検出、人骨、遺物の掘り出しと採取を目標に発掘調査を行った。調査は夏期休業期間中の8月12日から26日に第1回目を、冬期休業期間中の12月26日から30日に第2回目を実施した。 本年度調査の主な成果は以下の通りである。 1.遺構(2箇所)の発見から埋葬遺跡の本体もしくはそれに極めて近い場所が特定された。 2.北側で焼骨のみが埋められたピットが発見された。南西諸島における先史時代の葬制・墓制を知る上で貴重な発見と思われる。 3.イモガイやオオツタノハなどの貝製腕輪の他、多量の貝小玉が出土した。貝小玉は30cm四方の範囲からまとまって出土しており、おおよそ首飾り状のまま埋まったものと思われた。このような出土例は広田遺跡のように貝製品を装着しての埋葬以外では初例である。 4.九州系の弥生土器がまとまって出土する特徴的な遺跡であることが明らかになった。 5.人骨はすべて二次的に集骨された状態で出土した。また、風習的抜歯痕(2I_12I_2)と思われる下顎骨が確認された。
|