2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17570195
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 謙一 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 室長 (30131923)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30280712)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (70264439)
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Keywords | 古人骨 / 沖縄人 / 琉球列島 / 発掘調査 / 貝塚時代 / グスク |
Research Abstract |
平成18年度は、11月11日から11月19日までの9日間、発掘調査を実施した。今回の発掘においては、主に17年度の調査で検出された焼骨層の確認と、遺跡形成の初期段階を知るために最下層を確認することを目標とした。 その結果、遺跡全体の堆積状況は概ね次のように考えられた。I層が現代〜近代頃?の遺跡一帯を覆う表土層。II層が近世?・グスク時代〜貝塚時代後期の貝塚状の堆積層。III層が人骨を多量に含む褐色の砂層、特に下層部は弥生時代のプライマリーな堆積層と考えられる。これらの層は全体的に崖側から谷側に向かって落ち込むように堆積しており、崖側が薄く、谷側が厚くなる。 遺物もコンスタントに出土した。土器は弥生時代中期後半から後期頃、古墳時代でも前半頃までの九州産の弥生土器と考えられた。在地土器はほとんど見られず、搬入土器で構成されるのが特徴である。 貝製品については、数種類に分類される貝小珠、サメ歯模貝製品、マクラガイ製貝製品、緻密な文様が施された貝製品等が多量に出土している。豊富な装飾品が人骨に伴って出土するのも本遺跡の特徴である。 また、崖下地区から出土する人骨には3種の特徴があることが分かった。(1)白骨化したままで火を受けていない骨、(2)白骨化した後に焼かれた骨、(3)遺体を火葬したと思われる骨である。 成果については、12月5日に地元公民館において一般向けの報告会を開催した。発表は土肥のほか、研究協力者である沖縄県立埋蔵文化財センター片桐千亜紀専門員等が行った。 さらに、年間を通した活動として、沖縄のメンバーについては1〜2ヶ月に1回程度の研究会を行ったが、2月17日から19日の3日間、研究分担者を含めた全体の研究会および研究打ち合わせ会を琉球大学において開催した。研究会は地元の考古関係者・学生にも公開とした。
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Research Products
(18 results)