2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580181
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡崎 勝一郎 Kagawa University, 農学部, 教授 (60109733)
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Keywords | 海洋細菌 / コンドロイチン多糖 / メラニン合成阻害 / B-16細胞 / 免疫賦活 / 大量生産 |
Research Abstract |
海洋性のPseudomonas sp.WAK-1株の静置培養により産生される菌体外多糖は、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンがβ-1,3とβ-1,4結合で交互に連結したコンドロイチン骨格を主鎖とするグリコサミノグリカシであり、ぶN-アセチル-D-ガラクトサミンに側鎖としてピルビン酸が結合したN-アセチル-L-ガラクトサミンがα-1,4結合してい。本多糖にはメラニン生話の抑制と免疫賦活復用があることが見出されている。本年度は、本多糖のマウスB-16細胞でのメラニン合成に関与する遺伝子の発現に及ぼす影響とC57BL/6マウスの脾臓細胞での各種サイトカインの誘導能さらに大量調整法の開発に関して検討した。その結果、RT-PCR法を用いた遣伝発現摂実験では、本多糖(100μg/ml)と高濃度ピルビン酸(2.22mg/ml)はメラニンム成経路の後期に必要なチロシナーゼ関連タンパク1と2の発現を阻害しなかったが、初発酵素であるチロシナーゼの発現を阻害することが明らかになった。したがって、本多糖の基本骨格に付加したピルビン酸がメラニン合成阻害に重要であることが示唆された。また、マウスの脾臓細胞では、本多糖はIL-12の産生を増強しなかったが、インタフェロン(IFN)-γの産生増強が本多糖に認められたことから、ヘルパーT細胞1型からのIFN-γ産生による細胞性免疫の増強によるアレルギー反応の抑制という免疫機能性が本多糖に確認された。さらに、試作した中空糸を用いた限外ろ過膜装置(分子量5万以下をカット)に菌体外多糖液を通した後、凍結乾燥することにより、効率的かつ短時間で十分純度の高い精製多糖を調製できた。したがって、本多糖のメラニン合成阻害機構と免疫賦活化能の科学的証拠が得られ、大量調製法も開発できたことから、今後本多糖の美白剤や健康食品への展開が期待される。
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