2005 Fiscal Year Annual Research Report
界面動電現象を利用したカドミウム汚染水田土壌の原位置浄化法の研究
Project/Area Number |
17580213
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
福村 一成 宇都宮大学, 農学部, 講師 (50312864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 朋靖 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00159740)
溝口 勝 東京大学, 農学生命化学研究科, 助教授 (00181917)
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Keywords | 土壌浄化 / 界面動電現象 / カドミウム |
Research Abstract |
今年度計画していた研究目標3項目について、それぞれ以下のような結果あるいは進捗を得る事ができた。 (1)浄化の基本となる現象の把握では、水田土壌中のカドミウム(Cd)を含むアニオン・カチオン各1種が界面動電現象によりどのような挙動を示すかを示すシミュレーションモデルの改良を行ない、これまでの一次元モデルを二次元化した。またCdを含む4種以上の複数イオン存在下における挙動のモデルは未完成であるが、イオン移動度に対して各イオン間の相互作用の影響を係数として組み込むような方針で進めている。この点については次年度のカラム実験結果から得られるイオンの移動量データと比較検討して妥当性をチェックする予定である。 (2)カドミウム汚染水田の土壌の実態把握では、コーデックス委員会の精米Cd含量基準案が当初の0.2から0.4(mg/kg)に修正され検討が進んでいる事から、国内の統計資料等から汚染対策の対象とる生産量と対策の規模についての再検討を行なった。その結果、現在の汚染米対策と同程度の規模となる事が判明した。しかしながら、生産物の汚染でなく「生産の場」である農地の土壌汚染対策が必要であるとの認識の下、まず対象となる面積の推定を進めている。 (3)水田土壌の基本的性質の他、電気化学的な性質についての文献調査、簡単な予備実験を行い、18年度に行なうカラム実験、ベンチスケールの実験についての準備(主に実験条件と変数の検討)を行なった。その結果ベントナイトと有機物を取り除いた関東ロームを混合して人工的な「模擬水田土壌」を考案した。それを利用して予備的なカラム実験を試行した。次年度の実験については、現在検討を進めている。
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