2005 Fiscal Year Annual Research Report
画像情報によるバレイショ流通時の自然毒濃度の非破壊迅速決定法
Project/Area Number |
17580229
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 和弘 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70188994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正肚 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70293206)
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Keywords | バレイショ / 非破壊評価 / 自然毒 / 画像処理 / クロロフィル / PGA / フィトフトラ |
Research Abstract |
光照射によるバレイショの緑化はクロロフィル(以下、Chl)が生成されるためであり、同時に自然毒のポテトグリコアルカロイド(以下、PGA)も生成される。PGA含量が多いと苦味を感じ、大量摂取により中毒症状を起こし、時には死に至った例も報告されている。これらの障害バレイショを食品加工場内で選別するには、大量高速で搬送されていることから人間の目視では困難な場合が多い。本研究では、PGAの生成におよぼす曝光の影響を検討するため異なる曝光時間で緑化の進行に関する実験を行い、緑化バレイショの判別とChl濃度の推定を行うことを目的とした。また、バレイショ疫病と言われるフィトフトラ菌(Phytophthora)の罹患状況の非破壊検出法についても検討した。 その結果、次のような知見が得られた。 1.分光反射率と曝光日数の比較 曝光9日目の波長(A)における分光反射率と曝光時間に相関関係があると考えられた。波長(A)はChlの吸収ピークと一致しているため、分光反射率の低下はChl濃度の変化によるものであると推測された。 2.Chl濃度の推定および緑化の判別 波長(A)を基準波長とした場合の他の波長との分光バンド比とChl濃度を比較した。ある分光バンド比(B/A)とChl濃度の関係をプロットした場合、曝光初期のバレイショのChl濃度が検出されなかった。このことにより、実験開始時に緑化が発現していないことが確認された。さらに、緑化しているかどうかを判定する「しきい値」として、分光バンド比=0.9が使用可能であることが示唆された。 3.Phytophthora菌懸濁液の近赤外分光法における透過率データを測定し、各種微分値が蒸留水、発芽溶液、培地と明らかに異なる波長域が特定された。
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Research Products
(2 results)