2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子のインターコンバージョン経路に基づく動力学座標空間とフォールディング解析
Project/Area Number |
17590032
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
後藤 了 国際医療福祉大学, 薬学部, 准教授 (50253232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 和志 高知大学, 理学部, 准教授 (00253336)
堀 均 徳島大学, 工学部, 教授 (90119008)
寺田 弘 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00035544)
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Keywords | manifold / cepharanthine / tetrandrine / principle component analysis / AMBER / NMR |
Research Abstract |
ジフェニルエーテルと、これに大環状構造で立体的制限をかけた化合物との詳細な構造解析を行った。申請者らが入手に成功した大環状アルカロイド類は皆18員環であるが、ここには多数のベンゼン環が縮合しているので実効的な自由度はおおむね7員環に相当する。7員環はHendricksonの円状配置空間を有する。ジフェニルエーテルの2つの二面角をRamachandranマップ様に表示すると45度の縞模様の配置空間を持つ(一例としてGlasso et al. Tetrahedron 27(1971)6151の報告などがある)。 これに対して、ジフェニルエーテルを縮合した18員環アルカロイド化合物のコンフォメーション探索を行うと、AMBER力場にて30kcal/mol以下で出現するコンフォメーションの配置空間は、上記の縞模様をまたいだ円状配置空間に近いものとなる。2種類の化合物はいずれも円周状に分布している。探索計算を繰り返すと、ジアステレオマーで円周状の配置空間状での分布に相違が現れ、S-S体では単一コンフォメーションが検出されたが、S-R体では2箇所に分布した。 NMR測定を行うと、確かにS-S体では鮮明なスペクトルが得られる室温条件で、S-R体は構造のゆらぎを生じ、測定温度を-40℃として初めて鮮明なスペクトルとなった。コンフォメーションでは温度よりも溶媒の誘電率を変化させることで効果的な測定ができることを見いだしており、本申請研究では、種々の重水素化溶媒での測定を行った。その結果、大環状骨格によってコンフォメーション比には大きな変化を見いだしており、この包括的な測定を行ってきたことによって、熱力学的な解釈が可能となるものと期待される。
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Research Products
(3 results)