2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療タンパク質および抗結核薬の細胞内導入のためのナノ・マイクロ微粒子の設計
Project/Area Number |
17590041
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
尾関 哲也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (60277259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 弘晃 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (10339096)
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Keywords | 薬学 / 粒子設計 / DDS / 感染症 |
Research Abstract |
抗結核薬としてリファンピシン(RFP)、水溶性の担体としてマンニトール(MAN)を用いた。脂質として、コレステロール(Chol)及びホスファチジルコリン(EPC)を用いた。RFPをアセトン/酢酸エチル混液に溶解してRFP溶液とし、MANは水に溶解してMAN水溶液とした。これらの溶液を4流体ノズルの2つの液路から別々に送液し、スプレードライすることにより、RFPナノ粒子含有MANマイクロスフェアを調製した。得られた粒子はいずれも経肺投与に適した粒子径の1〜5μmであった。カスケードインパクターを用いて評価したin vitro吸入特性について、RFP原末ではFPFへほとんど送達されないが、RFP/MANマイクロスフェアでは、1/20の粒子において治療域である肺に40%以上のRFPを送達可能であり、さらに肺胞に相当する6、7ステージヘも約8%送達可能であった。RFP/MAN組成比が1/20のマイクロスフェアをラットに経肺投与し、肺内での薬物の残存性について検討した。投与後5分後は約85%の薬物が肺内に存在した。しかしながら、1時間後には残存率が約5%となった。経口投与、静注に比べて投与初期のRFP肺内滞留性は著しく高いが、その消失は速やかであり、4時間後には消失した。次に、ターゲット部位である肺でのRFPの滞留性を向上させるため、RFPに脂質を添加して粒子を調製した。この粒子を同様にラットへ経肺投与し、肺内のRFP残存率を測定した。その結果、脂質を添加したマイクロスフェアでは5分後のRFP残存率は増加し、わずかではあるが4時間後においても肺内にRFPの残存が認められた。以上、抗結核薬であるRFPを4流体ノズル・スプレードライヤーによってRFP/MANマイクロスフェアとすることにより、肺に効率よく薬物を送達可能な粉末吸入粒子の設計が可能であった。
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