2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療タンパク質および抗結核薬の細胞内導入のためのナノ・マイクロ微粒子の設計
Project/Area Number |
17590041
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
尾関 哲也 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 准教授 (60277259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 弘晃 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (10339096)
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Keywords | 薬学 / 粒子設計 / DDS / 感染症 |
Research Abstract |
抗結核薬のリファンピジン(RFP)及びポリ乳酸・グリコール酸(PLGA)のアセトン/メタノール混液と水溶性担体のマンニトール(MAN)水溶液を4流体ノズルの2つの液路から導入してRFP/PLGAナノ粒子(NS)含有MANマイクロ粒子(MS)を調製し、RFP/PLGA-MSと比較した。RFP/PLGA-NSは450nm、MSは3μmであった。ラット肺胞由来マクロファージ(Mφ)へのin vitro取り込み性を検討したところ、NSにおいてもMφへ取り込まれることが明らかとなった。また、リガンドとしてフコースを添加することで取り込みを増加させることに成功した。人工肺モデルのカスケードインパクターによるin vitro吸入送達性では、RFP/PLGA-NS含有-MSにおいて、肺胞に相当する6-7ステージへ約6%送達可能であった。これらの粒子をラットに経気管的に投与し、in vivo肺内滞留性を検討したところ、RFP/PLGA-NS、MSいずれも投与4時間後においても約10%のRFPが肺内に残留することが明らかとなった。以上、RFP/PLGA-NS含有MAN-MSは、肺深部への送達性がよく、肺における滞留性が向上した肺結核治療粒子としての応用が期待できることを示した。 がん抑制タンパク質であり、遺伝子組換えタンパク質であるp53のC末端活性部位のペプチドp53pと細胞透過性ペプチドであるAntennapedia(Ant)を融合させたペプチドのp53p-Antを用い、悪性脳腫瘍のラットグリオーマC6細胞へp53p-Antを導入し、抗腫瘍細胞効果を検討した。C6細胞に膜透過性ペプチド部位のAntのみを100μMを反応させた場合、C6細胞の生存率は88.3%であった。p53p-Antを100μMを反応させた場合の生存率は3.5%と著しく減少した。この結果から、p53p-Antの抗腫瘍細胞作用は、細胞膜透過性ペプチドであるAntによりp53p-Antが細胞内に侵入し、p53pの作用によって発揮されたものと考えられた。また、TUNELアッセイの結果、これらの細胞死はC6細胞のアポトーシスによって引き起こされたことが認められた。
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