2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療タンパク質および抗結核薬の細胞内導入のためのナノ・マイクロ微粒子の設計
Project/Area Number |
17590041
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
尾関 哲也 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 准教授 (60277259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 弘晃 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (10339096)
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Keywords | 薬学 / 粒子設計 / DDS / 感染症 |
Research Abstract |
抗結核薬のリファンピシン(RFP)及びポリ乳酸・グリコール酸(PLGA)のアセトン/メタノール混液と水溶性担体のマンニトール(MAN)水溶液を4流体ノズルの2つの液路から導入してRFP/PLGAナノ粒子(NS)含有MANマイクロ粒子(MS)を調製し、RFP/PLGA-MSと比較した。RFP/PLGA-NSは213nm、MSは2.1μmであった。これらの粒子をラットに経肺投与し、肺胞マクロファージへのin vivoでの取り込み性を検討したところ、MSの取り込み率はわずかであったのに対し、NSはよく取り込まれ4時間後では9,3%のRFPが取り込まれることが明らかとなった。In vivo蛍光イメージングによって、投与後の粒子の肺内の分布を検討したところ、MSは投与後直ちに肺の粘液繊毛運動によって排泄されるが、NSは長時間、肺深部に滞留することが判明した。この長時間の滞留は、肺胞マクロファージがNSを取り込む時間を与え、そのため、取り込み率が増大したものと推察された。さらにステアリル化マンノースを合成し、ステアリル部分をPLGA中にスパイクさせることで、マクロファージの認識するリガンドであるマンノースで表面を修飾したPLGA-NSを調製した。マンノースを10%修飾することで有意に粒子取り込みが増大した。遺伝子組み換えタンパク質のRecAを精製した。がん抑制タンパク質活性ペプチドp53pと細胞透過性ペプチドのAntennapedia(Ant)を融合させたp53p-AntをPLGA-MSに封入し、温度感受性ゲルによってラット脳腫瘍モデルの脳腫瘍内に固定し、長期にわたり腫瘍内に放出させることでラットグリオーマ細胞移植後未処置群と比較して生存日数が延長し、in vivoにおいて抗腫瘍効果が得られることが明らかとなった。
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