2006 Fiscal Year Annual Research Report
AILD-Tリンパ腫におけるc-Mafの過剰発現をはじめとする免疫遺伝的検討
Project/Area Number |
17590299
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 尚義 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90045732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 智 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | AILT / c-Maf / T細胞性リンパ腫 / 多発性骨髄腫 / 免疫組織化学 / cyclinD1 / cyclinD2 / PTCL(U) |
Research Abstract |
恒常的なプロモーターのもとで発癌を来す染色体転座は種々の腫瘍の発生に重要な役割を果たしている。最近の研究では骨髄腫のおよそ5から10%においてt(14;16)(q32;q23)転座によりc-Maf遺伝子が免疫グロブリンIgHの遺伝子座と融合を来すことまたc-Mafの過剰発現は骨髄腫の50%までに発現が認められている。我々は種々のTリンパ腫において、c-Mafの発現を免疫染色およびreal time RT-PCRを用いて検討を行った。c-Mafの免疫染色ではAILT(angioimmuoblastic T cell lymphona)23/31,ATL3/11,PTCL(U)4/19,mycosis fungoides1/11症例が陽性であった。AILTの二重染色ではc-Maf陽性細胞の大部分がUCHL-1(CD45RO)およびCD43(MT1)陽性を呈したが、CD20(L26)陽性細胞の大部分は陰性であった。 CD4とc-Mafとの二重染色ではCD4陽性細胞の大部分がc-Maf陽性であった。一方CD8陽性細胞の大部分はc-Maf陰性であった。我々はまたc-MafとCD4およびCD10の二重染色を蛍光抗体法を用いて行った。 その結果CD4ないしCD10陽性細胞の多くがc-Maf陽性を呈した。RT-PCR法でのc-Maf発現はAILTの8/31,PTCL(U)の0/19,multiple myelomaの2/8で陽性となり、AILTとPTCL(U)との間で統計的有意差のある違いを認めた。またc-Maf陽性および陰性AILTグループを組織学的に比較すると、前者はよりclear cellが多い事が明らかとなった。以上よりc-Maf発現はAILTの腫瘍化に関与している可能性が高いものと考えられる。またc-MafはAILT診断の有力なマーカーとなりうる事が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)