2006 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指した組織幹細胞の分離・同定と治療への応用
Project/Area Number |
17590350
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
岡野 慎士 九州大学, 大学院医学研究院, 非常勤助手 (10380429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 和憲 九州大学, 大学院医学研究院, 講師 (50217668)
居石 克夫 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (70108710)
米満 吉和 千葉大学, 大学院医学研究院, 客員教授 (40315065)
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Keywords | 組織幹細胞 / 臍帯血 / 病的肝・肝機能再生 / Vasculogenisis |
Research Abstract |
組織幹細胞は、組織に存在し組織再生を行う細胞で、再生医療への応用に期待されているが、ES細胞に比較して、増殖能力、移植生着能力などに難点がある。本研究においても、神経への潜在的分化能を有する毛様体由来の組織幹細胞は、細胞の増殖によらず、細胞の集族によって神経への分化を来すことが判明した。この問題点を克服するために、マウス胎児肝より、CD31^-Albumin(ALB)^-α-smooth muscle actin(α-SMA)^-VEGFR2^+細胞が、ES細胞と類似のマーカーを発現していることを分離同定し、この細胞がin vitroにおけるPDGF-BB及びVEGFの刺激にて、α-SMA^+細胞及びCD31陽性の平滑筋及び血管内皮細胞へ、HGF+EGFの刺激でALB+の肝細胞、CK18+の胆管細胞へと分化することを見出した。in vivoの移植実験においても、VEGFR2^+細胞を肝切除後成体マウスに脾臓注入したところ、同細胞は血管腔を構成する血管内皮細胞、血管平滑筋細胞へ、HGFとEGFで刺激したものは肝細胞及び胆管細胞へ分化することが確認できた。よって、これらの細胞は組織幹細胞を用いた再生医療への有用な細胞ソースとなりうることが示唆された。 更に我々は、ヒトの臍帯血由来のCD45^-CD133^+CD34^+VEGFR2^+細胞は、VEGF+IGF+FGF-2±PDGF-BB刺激により、コロニー形成能を持って、CD133^-CD31^+及びα-SMA^+の細胞へ分化することを見出した。この細胞移植では感作アロ反応性T細胞の障壁は懸念されるものの、我々の虚血肢モデルでCCL2が虚血肢にて高発現することが示されていることから、ヒト臍帯血由来CD45^-VEGFR2^+細胞は、臨床上のendothelial progenitor cell(EPC)の重要なソースとして利用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)