2007 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌のアンドロゲン非依存性変化へのメカニズム解析
Project/Area Number |
17590356
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
朝元 誠人 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (50212494)
|
Keywords | 前立腺がん / アンドロゲン / がん幹細胞 / 細胞株 / ラット / CD133 |
Research Abstract |
前立腺癌はアンドロゲン依存性(AD)増殖から非依存性(AI)増殖へと進展し、抗アンドロゲン療法抵抗性の原因となることから、この過程のメカニズムの解析は重要である。本研究ではAI能を獲得するメカニズムの一端を解明するため新たな培養細胞株樹立しその性質を検討した。Transgenic rat for adenocarcinoma of the prostate(TRAP)モデルラットより樹立したADおよびAIヌードマウス移植腫瘍より前立腺癌細胞株を樹立した。AIヌードマウス移植前立腺癌細胞は立体的な塊状を形成しつつ増殖するのが特徴であり、SV40Tagが陽性である事からTRAPラット由来である事が確認さ計3種類のAIヌードマウス移植前立腺癌由来の細胞株が樹立された(PCai1,2,3)。これらの細胞株はヌードマウスに再移植可能であり、PCai1はチャコール処置血清添加培養液中でも増殖する事が確認されたが、PCai2,およびPcai3は増殖が阻害された。以上より、PCai1とPCai2,3とではホルモン反応性が異なる事が明らかになった。一方、ADヌードマウス移植前立腺細胞からも細胞株が2種類樹立された。これらの細胞株は上皮様形態を持ちアンドロゲン受容体蛋白の発現は確認できるが、SV40Tagは分裂細胞にのみ陽性所見が免疫組織学的に確認された。また細胞分裂後の増殖態度が非対称であるため、がん幹細胞の性格を持つ事が疑われた。そこで幹細胞のマーカーの一つであるCD133の発現を検索したところ強発現している事が確認され、これらの細胞株はがん幹細胞の性質を持つ事が示唆された。以上、特徴ある前立腺癌細胞株がADおよびAIヌードマウス移植腫瘍より樹立された。これらの種々の性格、特徴をもつ新たに作成された前立腺癌細胞株を利用してヒト前立腺癌の予防および治療の新たな基礎的データーの蓄積をおこなっていく。
|
Research Products
(2 results)