Research Abstract |
本研究では(1)事例研究,(2)利用器具研究,(3)海外事情研究,(4)過去の研究に関する検証,を行った.(1)事例研究では,長岡健太郎研究協力者が運営する療養型医療施設「湘南健友会長岡病院」で行われている褥瘡対策に着目し,診療計画書に基づき,実現するための計画,計画の実施と実施体制,日常的な栄養管理を,患者の同意を得て時系列でデータ化した.同院倫理委員会の決議を研究着手時に得た.施設において褥瘡をなくした状況に関し,イ「褥瘡対策に関する診療計画書」記載の事項を数値化した.ロ 当該病院に於ける研究参加者に関する原疾患,日常的に行われるリハビリテーション(リハ)を中心とした介入及び介護状況をデータ化した.ハ 牛澤賢二研究協力者の協力を得て,褥瘡有無,日常生活自立度の変化等を基準に,データ化した事項の統計的に分析を試みた結果,要介護度5の入院患者は厚生労働省の「療養病床アンケート調査」結果より多く,褥瘡患者は同研究で4.8%,当院に関しては最小で0%,最大で4.7%,平均2.8%となっていることが分かった.また導入されているタキザワ式リハの効果で,要介護度に即した例外ないリハを実施していることを明らかになった.また(2)として体圧分布を測定した.(1)と(2)の結果,患者の体圧管理は局所圧力200mmhg以下を実現していた. (3)では高田一研究協力者と協力し,ドイツ国ニュールンベルグ赤十字及びデンマーク国オーデンセ県立器具センターの協力を得た.調査では,特別養護老人ホーム(ドイツ)では流動食は提供していないこと,平均2年で死亡すること,ターミナルケアの施設(デンマーク)では平均2ヶ月で死亡することの説明を受け,褥瘡の予防器具はクッションとマットレスを示され,乳房の下が褥瘡の好発部位と説明を受けた.(4)の研究では研究課題に関する準備状況に述べた過去研究を検証し,概要を纏めた.
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