2007 Fiscal Year Annual Research Report
産業化学物質の感作性予知評価およびリスク評価への応用に関する研究
Project/Area Number |
17590520
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青山 公治 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70117472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30325815)
竹内 亨 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00188161)
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Keywords | アレルギー / マウス / 感作性試験 / リスク評価 / 呼吸器感作 |
Research Abstract |
本年度は、産業現場で呼吸器感作性が疑われているメチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)とオルトフタルアルデヒド(OPA)の評価ならびに、皮膚感作性物質のデータの再確認を目的にジニトロクロロベンゼンの再評価を行った。また、試験の短期化の検討も開始した。これらの実験の一部は、共同研究者においても実施した。また、今回は、感作段階の所属リンパ節のサイトカイン解析をreal time PCR法にて実施した。MTHPAについては、MTHPA惹起対照群および実験(惹起)群で好酸球浸潤を主所見とするアレルギー反応が認められ、呼吸器感作性が証明された。また、病理組織学的所見から、MTHPAのヒトにおける刺激性炎症像も確認され、刺激性ならびに呼吸器感作性を動物実験で定量的に検出できた。これは、単に呼吸器感作性の評価というだけでなく、呼吸器に対する化学物質の影響の総合的な評価系としての有効性を改めて証明することができた。OPAにおいても、アレルギー性反応が検出できたことから、ヒトにおいて呼吸器感作性が疑われている事象を支持する結果となった。次に、被験物質としてTDIとTMAを用い、BALF、肺の病理組織学的検索、および血清総IgE量を指標に、本試験法の短期化の検討を行った結果、従来の4週間の試験期間を、3週間程度に短縮できる可能性が示唆された。また、本試験法により得られた一定のアレルギー反応を惹起する感作濃度とヒトのアレルギー惹起濃度とを取り込み量として試算し、それらを比較すると、その間に一定の傾向をみることができた。本呼吸器感作性試験の結果による、ヒトにおけるリスク評価への応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)