2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者の抑うつ頻度とその危険因子-総合的機能評価による縦断的検討-
Project/Area Number |
17590539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 泰三 京都大学, 医学研究科, 助手 (90378646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
西永 正典 高知大学, 医学部, 助教授 (50265245)
奥宮 清人 京都大学, 総合地球環境学研究所, 助教授 (20253346)
西岡 弘晶 京都大学, 医学研究科, 助手 (20397540)
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Keywords | うつ / 地域在住高齢者 / フィールド医学 / GDS / Single question / 質問紙 / 有料老人ホーム / 回想法 |
Research Abstract |
質問紙による地域在住高齢者のうつ頻度の検討では、北海道浦臼町の699名において、Single question法で25.8%のものにうつ傾向をみとめた。高知県土佐町においてはGeriatric Depression Scale(GDS)の15項目全回答者1031名を対象にして検討したところ、10点以上のうつ傾向の頻度は16.2%あった。同様に京都市の有料老人ホーム在住者152名の検討では、GDSで10点以上のうつ傾向の頻度は13.2%であった。 グループ回想法は認知症高齢者の認知機能やうつ傾向を改善する可能性が報告されている。自立生活可能な京都市の有料老人ホーム居住者に対してグルーブ回想法による介入を行い、高齢者のうつ傾向、認知機能、活動能力、QOLが変化するか検討した。対象は回想法教室参加を希望した19名(平均年齢85.3歳±4.0、男4女15)とし、10名を介入群、9名をコントロール群とした。介入群には週に1回のグループ回想法を8週間行い、介入期間前後の諸指標を比較検討した。うつ傾向はGDS-15とSingle questionで、認知行動機能は長谷川式痴呆スケール、MMSE、コース立方体テストとTrail Making Test(TMT)で評価し、老研式活動能力指標とQOL評価(健康度、主観的幸福度)もおこなった。介入期間前後2回とも評価しえた介入群8名とコントロール群8名について、各スコアの変化をpaired t-testを用いて検討した。介入群、コントロール群ともに介入期間前後でうつ傾向、QOL、老研式活動能力指標、MMSE、長谷川式痴呆スケール、コース立方体の各スコアに有意差は認めなかった。一方、TMTスコアについては有意差とはならなかったが、介入群でスコアの改善傾向(P=0.09)を認めた。グループ回想法により、認知行動機能の改善が短期的効果として期待できる。
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Research Products
(6 results)