2005 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変における自己反応性T細胞を制御する新たな治療法の開発
Project/Area Number |
17590672
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
喜多 宏人 自治医科大学, 医学部, 助手 (80294974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒田 憲夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (30275680)
上野 義之 東北大学, 医学部, 講師 (70282126)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 自己免疫 / 慢性肝疾患 / 自己抗体 / 自己反応性T細胞 / 免疫制御 / 細胞療法 / 肝免疫 |
Research Abstract |
原発性胆汁性肝硬変(PBC)のにおける免疫担当細胞を解析することにより、PBCの病因を明らかにすると同時にPBC対する新たな治療法を開発することを目的とした。特に、自己抗原特異的T細胞を制御することによりPBCの進行を制御することが可能であるかどうかを明らかにすることを目標とした。PBCの自己抗原である抗ミトコンドリア抗体の主たる対応抗原であるピルビン酸脱水素酵素のE2コンポーネント(PDC-E2)を特異的に認識するCD8陽性自己反応性T細胞がPBC患者の末梢血及び肝臓に存在するが、これらのCD8陽性自己反応性T細胞がどのような機序により生体内で活性化を受け増殖しているのかは明らかでない。抗ミトコンドリア抗体陰性患者においてもCD8陽性自己反応性T細胞が活性化されているかどうかを明らかにするために、抗ミトコンドリア抗体陰性患者におけるCD8陽性自己反応性T細胞応答を解析した。抗ミトコンドリア抗体陽性PBCと同様に、抗ミトコンドリア抗体陰性PBC患者末梢血中にもCD8陽性自己反応性T細胞が存在しており、抗ミトコンドリア抗体陰性PBCにおいても、T細胞レベルでの自己抗原に対する異常反応が病態に関与している可能性が示唆された。抗ミトコンドリア抗体陰性PBCと抗ミトコンドリア抗体陽性PBCは自己反応性T細胞の活性化という点で共通しており、これらの自己反応性T細胞の制御が病態進展を抑制する治療法につながる可能性が示された。PBCの発症に自己抗原特異的CD8T細胞やNKT細胞等の細胞性免疫応答が密接に関連していることが明らかになり、今後これらの細胞とPBCの病態との関連を更に明らかにして行くとともに、自己抗原特異的T細胞やNKT細胞を操作することによる治療法の開発に向けて研究を進めてゆく必要がある。
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