2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳児喘息死亡率改善のための治療戦略-気道粘液過分泌をターゲットとした治療法の展開
Project/Area Number |
17591070
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
徳山 研一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30237078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 浩一 群馬大学, 医学部, 講師 (50272232)
大木 康史 群馬大学, 医学部, 講師 (80334118)
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Keywords | マウス / 新生仔 / 杯細胞化 / 乳児喘息 / 粘液過分泌 / 気道炎症 / 気道過敏性 |
Research Abstract |
[背景]免疫応答は成熟段階により異なっている。このため、乳児喘息の病態生理は年長児や成人喘息の病態とは異なっている可能性がある。成熟マウスにおいては、抗原の感作量によってヘルパーT細胞のサブタイプの成熟が異なりアレルギー性の気道炎症の進展の仕方が変化することが知られる。本年度我々は乳児喘息のマウスモデルを作成し、乳児喘息におけるアレルギー性気道炎症の特徴を明らかにすることを試みた。 [方法]幼若(日齢3)および成熟(8週齢)BALB/Cマウスに、少量(10μg)または大量(1000μg)のOAを週1回ごと計3回腹腔内投与して感作した。ついで2.5%OA溶液を6日間連日吸入チャレンジし、最終チャレンジの2日後にメサコリンを吸入させ、enhanced pause(penh)の測定により気道過敏性を測定した。気道過敏性測定後、血中OA特異IgE、IgG2抗体価、気管支肺胞洗浄液(BALF)中好酸球数、気道組織像(炎症細胞浸潤の程度、粘液分泌細胞増加の程度をスコア化)を検討した。 [結果]幼若および成熟マウスとともに少量(10μg)のOA感作によりTh2タイプの反応(BALF中のIL-4の増加とIFN-γの低下)が惹起された。更に、気道過敏性、血中OA特異IgE値、BALF中好酸球数、気道の炎症細胞浸潤、粘液分泌細胞増加はいずれも少量感作群のほうが大量群より顕著であった。幼若群と成熟群を比較すると、これらの反応のうちBALF中のIL-4、粘液分泌細胞増加、気道過敏性は両群間で同等であったが、それ以外の気道反応は幼若群のほうが軽微であり、大量感作群でその差は顕著であった。 [結論]粘液分泌細胞増加とその結果生じる気道粘液の過分泌が乳児喘息におけるアレルギー性気道炎症の構成要素として重要である可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)