2006 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素18標識アミノ酸製剤による新しい悪性腫瘍診断法の開発
Project/Area Number |
17591279
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 光一郎 九州大学, 大学病院, 助手 (00380387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 雅之 九州大学, 医学部, 教授 (40240907)
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
本田 浩 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (90145433)
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Keywords | フッ素標識アミノ酸製剤 / フルオロエチルチロシン / PET / 悪性腫瘍診断 |
Research Abstract |
昨年度の研究において、我々はPET用アミノ酸製剤であるフッ素18標識フルオロエチルチロシン(以下、F-18FET)の腫瘍への集積が正常臓器に比べて有意に高いことを示した。 現在、PETによる悪性腫瘍診断に最も広く使用されているフッ素18標識フルオロデオキシグルコース(以下、F-18FDG)は炎症性病変にも集積し、しばしば診断の妨げとなることが知られている。F-18FETの炎症性病変への集積を測定し、F-18FETの悪性病変鑑別における有用性を検討した。 まず、結核菌死菌体を含む完全フロイントアジュバント(以下、CFA)を反復してマウスに皮下注射し、炎症性肉芽腫を形成した。5mm以上の結節を確認した後F-18FETを尾静脈より投与して、F-18FETの炎症性肉芽腫への集積を測定した。炎症性肉芽腫への集積の程度は、対筋肉比で0.998±O.112(30分後)、1.12±0.103(60分後)、1.032±0.029(90分後)であり、対照の正常皮膚組織への集積(1.048±0.102(30分後)、1.029±0.12(60分後)、1.052±0.207(90分後))とほぼ同等の値であった。次に、同一マウスの右側腹部にマウス胸腺腫細胞を移植し(腫瘍モデル)、左側腹部に炎症性肉芽腫を形成した後(炎症モデル)、F-18FETを投与して集積程度を比較した。腫瘍組織への集積は1.845±0.238(30分後)、2.179±0.158(60分後)、2.369±0.264(90分後)と、炎症性肉芽腫への集積(0.95±0.078(30分後)、1.041±0.093(60分後)、1.017±0.091(90分後))と比べて有意に高かった。 以上、F-18FETは正常組織や炎症巣に比べて腫瘍組織に有意に高く集積することから、悪性腫瘍の鑑別診断に有効であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)