2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィー患者の筋肉MR拡散強張画像と病理、臨床経過、病因遺伝子との関連性
Project/Area Number |
17591312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
佐藤 典子 国立精神・神経センター, 放射線診療部, 部長 (10322017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 隆 国立精神・神経センター, 放射線診療部, 医長 (60244208)
大矢 寧 国立精神・神経センター, 放射線診療部, 医長 (40415568)
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Keywords | 筋ジストロフィー / MR / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
筋ジストロフィーは筋緊張、進行する筋力低下と萎縮を主訴とする遺伝性疾患である。19番染色体のq13.3に位置しているプロテインキナーゼ遺伝子のCTG(cytosine-thymidine-guanine)trinucleotideのリピートの増加によるものとされている。筋ジストロフィー患者において、臨床症状、炎症反応を中心とした血液検査、筋生検、下肢のMR検査などを中心に検査を行った。MRの撮像シークエンスとしては、脂肪抑制T2強調画像、3次元エコープラナー法によるIRによる脂肪抑制拡散強調画像(3D STIR-EPI)とCHESS法による選択的脂肪抑制拡散強調画像(3D CHESS-EPI)の両方を撮像した。 初年度MR検査まで行った患者は10人で、その内筋緊張性筋ジストロフィーは7人、Becker型筋ジストロフィーは2人、肢体型筋ジストロフィーは1人であった。年齢は32歳から67歳(平均47歳)で、男性6人、女性4人であった。脂肪抑制T2強調画像において斑に筋肉の高信号域を認め、炎症性あるいは浮腫性変化が示唆された。同部位の拡散強調画像でも同様に異常高信号を認め、範囲としては脂肪抑制T2強調画像の方が広く、脂肪抑制T2強調画像で認めた高信号域の一部であった。この撮像法は浮腫では高信号として描出されないので、おそらく炎症部位を反映しているものと考えられる。脂肪変性が高度な患者においては、上記の所見は乏しかった。血液検査における炎症所見と臨床所見、それとMR所見とは相関があった。それは従来のシークエンス脂肪抑制T2強調画像よりも、拡散強調画像の方がより強い相関があった。タイプ別の異常信号の分布については、まだ症例が少なく、現段階では評価困難である。今後さらに症例を追加し評価したい。
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