2006 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィー患者の筋肉MR拡散強張画像と病理、臨床経過、病因遺伝子との関連性
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17591312
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
佐藤 典子 国立精神・神経センター, 武蔵病院・放射線治療部, 部長 (10322017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 隆 国立精神・神経センター, 精神保健研究所心身医学研究部, 協力研究員 (60244208)
大矢 寧 武蔵病院, 神経内科, 医長 (40415568)
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Keywords | 筋ジストロフィー / MR / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
筋ジストロフィーは筋緊張、進行する筋力低下と萎縮を主訴とする遺伝性疾患である。19番染色体のql3.3に位置しているプロテインキナーゼ遺伝子のCTG(cytosine-thymidine-guanine)trinucleotideのリピートの増加によるものとされている。筋ジストロフィー患者において、臨床症状、炎症反応を中心とした血液検査、筋生検、下肢のMR検査などを中心に前年度に引き続き検査を行った。MRの撮像シークエンスとしては、脂肪抑制T2強調画像、3次元エコープラナー法によるIRによる脂肪抑制拡散強調画像(3D STIR-EP1)とCHESS法による選択的脂肪抑制拡散強調画像(3D CHESS-EP1)の両方を撮像した。 今年度MR検査まで行った患者は8人で、その内筋緊張性筋ジストロフィーは5人、Becker型筋ジストロフィーは1人、肢体型筋ジストロフィーは2人であった。年齢は30歳から61歳(平均42歳)で、男性6人、女性2人であった。2脂肪抑制T2強調画像において斑に筋肉の高信号域を認め、炎症性あるいは浮腫性変化が示唆された。所見は昨年と症例と似た傾向を示し、拡散強調画像で異常高信号を呈した部位がより急性の炎症の傾向をしめした。 また今回新たにわかった付随所見として、血栓性静脈炎や静脈血栓を合併した患者において、拡散強調画像で血栓が高輝度に描出されることである。従来静脈血栓を描出するのに造影CTを撮影したり、静脈造影をしなければならないが、この手法を用いれば被爆や造影剤の副作用の心配が無く血栓が指摘できるので、筋肉の変化と共に静脈血栓に関しても評価を続けていきたい。
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Research Products
(2 results)