2007 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィー患者の筋肉MR拡散強張画像と病理、臨床経過、病因遺伝子との関連性
Project/Area Number |
17591312
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
佐藤 典子 National Center of Neurology and Psychiatry, 武蔵病院・放射線診療部, 部長 (10322017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 寧 武蔵病院, 神経内科, 医長 (40415568)
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Keywords | 筋ジストロフィー / MR / 拡散強調像 / 放射線 |
Research Abstract |
MR検査を行った患者は計25人で、その内筋緊張性筋ジストロフィーは15人、Becker型筋ジストロフィーは4人、肢体型筋ジストロフィーは6人であった。年齢は15歳から55歳(平均36歳)で、男性17人、女性8人であった。脂肪抑制T2強調画像において斑に筋肉の高信号域を認め、拡散強調画像では同部位が高信号を呈し、相関傾向があった。ADC mapでは正常部位よりも高信号を示し、T2 shine-throughのために拡散強調画像で高信号を呈したと考えられ、おそらく浮腫のためと思われる。また脂肪抑制T2強調画像や拡散強調画像の高信号と臨床症状、清クレアチンキナーゼ(creatinekinase)(CK)は相関が見られた。MR画像はある程度臨床症状を反映しているものと思われる。また筋緊張性ジストロフィー患者においては19番目の染色体q13.3に位置しているプロテインキナーゼ遺伝子のCTG(cytosine-thymidine-guanine)trinucleotideのリピートの増加によるものが原因とされているが、そのリピート数の増加とMRでの脂肪抑制T2強調画像や拡散強調画像の高信号との相関は認められなかった。 またこの疾患においては血栓性静脈炎や静脈血栓を合併しやすいが、新しい血栓形成が生じた場合はMR拡散強調画像で血栓が高輝度に、ADC mapでは低〜中程度の信号を示すことが新たに判明した。従来静脈血栓を描出するのに造影CTを撮影したり、静脈造影をしなければならないが、この手法を用いれば被爆や造影剤の副作用の心配が無く新たな血栓が指摘できるので、臨床上有用な所見と考えられる。
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Research Products
(6 results)