2006 Fiscal Year Annual Research Report
化学分析法を用いた日常診断に有益な甲状腺がん診断法の開発
Project/Area Number |
17591343
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Research Institution | Kagawa prefectural College of Health Science |
Principal Investigator |
加藤 亮二 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00233833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 一郎 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (30382394)
天川 雅夫 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (80331867)
亀子 文子 信州大学, 医学部, 助手 (60126670)
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Keywords | サイクログロブリン / がん診断 / レクチン / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本研究は平成17年度から18年度までの2年間、文部科学省科学研究費補助金、基盤研究(C)の交付を受けて行った『化学分析法を用いた日常診療に有益な甲状腺がん診断法の開発』の結果をまとめたものである。最近のがん診断法に関する研究は多岐にわたり行われているが、検診のための検査法の開発例は少ない。そこで筆者らは平成13年度〜14年度、平成15年度〜16年度、平成17年度〜18年度の6年間、科学研究費を(いずれも基盤C)を受諾し、以下の内容を完成させた。 前回の報告時にも述べているように、この方法は、これまで甲状腺分化癌診断に用いてきた血中サイログロブリン(Tg)測定法を全面的に改良した方法であるが、Tgをそのまま測定するのではなく、Tg分子内に存在する糖鎖変異の程度を糖鎖と親和性の高いLCAレクチンを用い、甲状腺癌が産生するTg分子内の糖鎖変異率を検出する全く新しい測定系である。 これまでの研究期間で、(1)用手法によるELISA法を原理とする測定法を完成させ、(2)次に自動分析機による簡便な方法を構築した。この方法の検査時間はおよそ40分間で、検体の2本目から順次1分間隔で測定値を得ることができる。 測定原理は2種類の抗Tgモノクロナール抗体(自家制:Mab1,Mab2)とLCAレクチンを用い、固相化したMab1と血清検体を反応させた後、POD標識Mab2を反応させ、血清中総Tg濃度の測定と同時にPOD標識抗体とLCAを競合反応させることにより得られるLCAが反応しないTg濃度(LCA非反応性Tg)の2つを求め、式からLCAが反応性するTg (L-RTg)の比率を自動分析機により自動計算させるものである。(3)サンプルは組織、細胞診時に得られる穿刺液および血清のいずれも測定可能である。 この方法を用いることで今まで困難であった甲状腺がん診断が日常検査で可能となった。
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Research Products
(3 results)