2007 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌に対する腹腔鏡手術の有用性の検討-開腹手術との比較
Project/Area Number |
17591416
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
猪股 雅史 Oita University, 医学部, 講師 (60315330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 憲男 大分大学, 医学部, 准教授 (20271132)
北野 正剛 大分大学, 医学部, 教授 (90169871)
安田 一弘 大分大学, 医学部, 講師 (70325710)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 助教 (00404369)
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Keywords | 大腸癌 / 腹腔鏡下手術 / 開腹手術 / 臨床試験 / 低侵襲性 |
Research Abstract |
今年度は3年計画の3年目として、大腸がんに対する腹腔鏡下手術の有用性評価の臨床試験を実施した。 【作成プロトコールの概要】 A,結腸がんに対する第III相臨床試験の実施 (1)症例の選択:結腸がんの深達度T4まで(Siを除く)の進行がんを対象。 選択された症例に対し、腹腔鏡下手術または開腹手術を施行する。 (2)プロトコール治療:D2あるいはD3郭清を伴う根治手術 (3)評価項目:(a)短期成績:血液生化学検査、手術時間、出血量、排ガスまでの日数、術後在院日数有害事象発生割合、腹腔鏡下手術の開腹移行割合(b)長期成績:全生存期間、無再発生存期間 B,直腸がんに対する第II相臨床試験の計画および実施 (1)症例の選択:上部直腸ではT4まで、下部直腸ではT2まで (2)プロトコール治療:腹腔鏡下手術(腹腔内吻合、郭清度は進行度に応じてD1-D3) (3)評価項目:血液生化学検査、手術時間、出血量、排ガスまでの日数、術後在院日数、有害事象発生割合腹腔鏡下手術の開腹移行割合 【臨床試験の結果】 A,結腸がんに対する第III相臨床試験の実施 平成20年3月31日の時点で結腸がん32例を登録した。短期成績では、手術時間(252vs.210分)は有意に腹腔鏡下手術が長く、出血量(68vs.123ml)、術後在院日数(13.5vs.15.8日)は有意に腹腔鏡下手術が低値であった。長期成績では、平均経過観察期間が16.4ケ月と短期間ではあるが、再発は開腹手術の1例にのみ認め、全例生存中である。 B,直腸がんに対する第II相臨床試験の計画および実施 直腸がん16例を登録した。上部直腸10例、下部直腸6例で、開腹移行例は認めず。合併症は、吻合部出血1例、創感染2例。平均観察期間が12.1ケ月において再発例はなし。 【結語】 結腸がんおよび上部直腸がん(早期・進行)、下部直腸がん(T2まで)における腹腔鏡下手術は安全であり、今後、長期成績の評価が必要である。
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