2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の浸潤・転移に関与する接着因子の機能解析、癌-間質相互作用との関連
Project/Area Number |
17591418
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
前原 直樹 宮崎大学, 医学部, 助手 (30381065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 秀樹 宮崎大学, 医学部, 助手 (90398264)
大内田 次郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (10363590)
永野 元章 宮崎大学, 医学部, 医員 (50381116)
千々岩 一男 宮崎大学, 医学部, 教授 (90179945)
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Keywords | 膵癌 / 接着因子 / Thrombin / Vitronectin / Integrin |
Research Abstract |
膵癌の浸潤・転移のほとんどの過程で、接着因子の機能は重要である。膵癌細胞の細胞外基質(Laminine, Fibronectin, Vitronectin, Collagen IV)への接着能に対して、膵癌細胞の増殖因子の一つと考えられるThrombinの作用について検討した。それぞれの細胞外基質をコーティングしたプレート上で、浸潤・転移能の異なるヒト膵癌細胞株を培養し、接着した細胞数をMTT法で測定した。転移能の高い細胞株ほど細胞外基質への接着が良好であるという傾向が見られた。Thrombin刺激による膵癌細胞の細胞外基質への接着は細胞株間で反応に差異が見られたが、転移能との相関は認められなかった。Thrombin刺激により細胞外基質の中でVitronectin、Fibronectinへの膵癌細胞の接着が亢進した。膵癌細胞のVitronectinへの接着はPAR-1 agonistであるTRAP-6の刺激で亢進した。一方、thrombinによるVitronectinへの接着亢進作用はPAR-1 antagonistであるSCH79797で抑制された。膵癌細胞の細胞外基質への接着はthrombin-PAR-1系が関与していると考えられた。 細胞接着分子であるIntegrinは、膵癌細胞のVitronectinへの接着を仲介していると考えられるが、Thrombinによる細胞外基質への接着反応にどのIntegrinが関わっているのかについて調べた。Integrinのサブユニットであるαvβ3、αvβ5、β1の中和抗体を用いて、Thrombin刺激による膵癌細胞のVitronectinへの接着亢進が抑制されるかを調べると、抗Integrin β1にて抑制された。Vitronectinへの接着亢進は、Integrin αvβ1-dependentであると考えられた。 現在、これまでのデータをまとめ、論文作成中である。
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