2005 Fiscal Year Annual Research Report
心臓3次元運動解析による心拍動下手術野制御法の開発
Project/Area Number |
17591480
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
横山 斉 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80282127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 信弥 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30347223)
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Keywords | 心拍動下冠動脈バイパス術 / 心臓表面運動 / 機械的固定法 |
Research Abstract |
モーション・キャプチャーの原理を利用し、心臓表面運動デジタル解析システムを開発した。心臓表面の冠動脈上に再帰性反射材よりなるマーカーを留置し、硬性鏡を取り付けた2台の高速度デジタルビデオカメラでマーカーの2次元位置情報を、画像処理ボードを搭載した2台のコンピュータに取り込み、得られた位置情報をリアルタイムで1台のコンピュータ上に3次元で再構築した。ブタを用いた動物実験で検証し、ブタ心臓表面の各冠動脈(左冠動脈前下行枝、左冠動脈回旋枝、右冠動脈)の3次元運動を明らかにした。運動の軌跡、動きの幅、一拍あたりの移動距離、速度、加速度などが明らかとなった。さらに、ブタを用いた動物実験で、現在心拍動下冠動脈バイパス術で用いられている機械的固定器具を用い機械的固定前後の心臓表面各冠動脈の運動を定量化した。各冠動脈共垂直方向により運動が残存していることが明らかとなった。また、固定器具そのものを測定した結果、心臓表面を直接固定している脚そのものが心拍動により動いており、その両脚の接合部で固定が不十分であることが明らかとなった。残存する運動を減少させるために、既存の固定器具に改良を加え、フィルムドレッシング材を用いた新たな固定法を我々は開発した。固定器具の脚の間にフィルムドレッシング材を取り付け、心臓表面を固定した時に固定領域をフィルム全体が固定するようにした。さらに、今回開発したシステムを用い、残存する運動を定量化した。従来の固定法と比較し、動きの幅、一拍あたりの移動距離、速度、加速度において全ての方向で有意に減少した。より有効な固定法を開発し、我々が開発した本システムで残存する運動を定量化し、その有効性を証明した。(現在論文を投稿中)
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