2007 Fiscal Year Annual Research Report
頚髄症モデルに対する神経栄養因子産生成体神経幹細胞の移植に関する研究
Project/Area Number |
17591514
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三好 康之 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 勲 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
杉生 憲志 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40325105)
徳永 浩司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40294467)
小野 成紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40335625)
市川 智継 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10362964)
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Keywords | GDNF / 成体 / 神経幹細胞 / グリア細胞 / ニューロン / 炎症細胞 / アガロース / BBBスコアー |
Research Abstract |
慢性頚髄症モデルラット作成において、アガロースビーズの脱転が問題点であると考えられたので、確実に局所脊髄に圧迫を長期間加えることが出来るように、GoreTexを用いてアガロースビーズの脱転を防ぎ、かつ局所に止まらせるように工夫した。さらに、やや技術的に困難だが可能な限り椎弓を切除し外側からもアガロースビーズが圧迫するようにした。硬膜外のスペースに留置されたアガロースビーズの背側にフィブリン糊を塗布しGoreTexのシートを固着させた。この方法により屠殺時にアガロースビーズが脱転しているラットは全く見られなくなった。本方法により、慢性頚髄症モデルラットにおいて有意なBBBスコアー低下と組織学的にも有意な損傷を示すことが出来た。本頚髄症モデルラットに対するGDNF産生神経幹細胞移植研究を引き続き行い、移植によって、行動学的にBBBスコアーは改善したが、有意差を示すには至らなかった。移植されたGDNF産生神経幹細胞は、GDNFを脊髄局所に供給することができ、移植した周囲では、正常の組織に比べて約5倍の濃度のGDNFを供給することができ、この発現が少なくとも1ヶ月が持続していることを確認した。組織学的には、有意に損傷面積を減少することは出来ず、18年度の研究結果同様、1ヶ月後に取り出された脊髄を免疫染色すると、移植した細胞はほとんどグリアに分化しており、ニューロンへの分化はわずかであった。移植細胞周囲の宿主脊髄では、コントロール群と比べて有意に、炎症細胞増加を認めた。GDNF産生神経幹細胞は本モデルに対して、有意な治療効果を示さなかったが、増強される炎症細胞浸潤を防ぐことで治療効果を改善することが可能かもしれない。
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