2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性拒絶反応に関わる抗HLA抗体のクロナリティー変動の解析
Project/Area Number |
17591699
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小幡 文弥 Kitasato University, 医療衛生学部, 教授 (60129236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 一成 北里大学, 医学部, 准教授 (10174921)
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Keywords | 腎移植 / 抗HLA抗体 / 慢性拒絶反応 / Flow PRA / Western Blot |
Research Abstract |
【目的】腎移植後の患者血清中には,ドナ-HLA抗原に対する抗体が検出される場合があり,慢性拒絶反応惹起に関与すると考えられている。この抗体の検出法としては,現在もっぱらFlow PRA法が用いられているが,クローナリティー解析のためには,等電点電気泳動とWestern Blotを組み合わせた方法が有効である。しかし昨年度我々は,Flow PRA法とWestern Blot法が不一致の症例が多々あることを見出した。今年度は症例数をさらに増やして解析を行った。 【方法】Flow PRA法:患者血清をHLA-classIおよびHLA-class II分子結合ビーズと反応させた。ビーズを洗浄後、FITC標識抗ヒトIgG抗体加えて反応させ、再び洗浄後、Flowcytometryを行った。Western Blot法:ビーズに結合した抗体を酸溶出法により遊離させた後、すぐに中和し、SDS電気泳動または等電点電気泳動にかけた。分離された抗HLA抗体をPVDF膜に転写し、HRP標識抗ヒトIgG抗体を用いたECL発光反応で検出した。 【結果】Flow PRA法解析で,抗HLA-class I抗体が陽性であった21症例,および抗HLA-class II抗体が陽性であった20症例についてFlow PRA法とWestern Blot法の一致/不一致を検証した。 その結果,Flow PRA法とWestern Blot法の結果が一致した(PRA/Western=+/+、-/-)のは、抗HLA-class I抗体が47%、class II抗体が60%であった。また、両者の結果が不一致となった患者血清のうち、PRA-/Western+となったのは、抗HLA-class I抗体が24%、class II抗体が30%であった。PRA+/Western-となったのは、抗HLA-class I抗体が28%、class II抗体が10%であった。PRA-/Western+の原因については、Flowcytometry解析の際には除外している破砕されるなどした細かいbeadsが、Western Blot法で検出している可能性も否定できない。しかしPRA+/Western-の原因については不明であり、両不一致の原因について今後のさらなる検討が必要である。
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Research Products
(2 results)