2005 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌の抗癌剤耐性における細胞表面ペプチダーゼの機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
17591727
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 清住 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (90335026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 史隆 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40224985)
梶山 広明 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00345886)
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Keywords | 子宮体癌 / P-LAP / IRAP / 抗癌剤耐性 / アポトーシス |
Research Abstract |
子宮体癌の術後補助療法として化学療法が広く行われるが、その適応については一定でない。今回の研究ではアミノペプチダーゼの中でもP-LAP/IRAPに着目して、その発現による子宮体癌化学療法の個別化と抗癌剤耐性作用のメカニズムについて検討した。 1)インフォームドコンセント後検体提供を受けた術後評価可能病変を有するIII、IV期子宮体癌18例のP-LAP/IRAPを免疫組織染色し、発現強度と抗癌剤臨床効果との関係を検討した。2)子宮体癌細胞株にP-LAP/IRAPを遺伝子導入し、抗癌剤感受性の変化を親株と比較した。P-LAP/IRAP発現をsiRNAにて抑制し感受性の変化を観察した。3)P-LAP/IRAP遺伝子導入後抗癌剤によるアポトーシスの変化を観察し、アポトーシス関連蛋白の発現を検討した。結果は、1)18例中1例が陰性、6例が弱陽性、11例が強陽性であった。陰性、弱陽性7例の奏効率は100%であったのに対して、強陽性11例の奏効率は18.2%でありP-LAP/IRAP発現が抗癌剤耐性に関与することが示唆された。 2)P-LAP/IRAP遺伝子導入により、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセルに対するIC50値は親株の2.0倍、2.5倍、1.5倍に増加した。そこで、P-LAP/IRAP発現をsiRNAにて抑制するとIC50値はそれぞれ45%、50%、40%減少した。3)P-LAP/IRAP強制発現株は抗癌剤によるアポトーシスが著明に抑制され、Caspaseの発現及びPARPの分解が完全に抑制され、生存シグナル蛋白の発現は亢進した。今回の研究成果から、P-LAP/IRAPは抗癌剤によるアポトーシスを抑制し耐性に関与しており、子宮体癌に対する化学療法の個別化に応用可能であり分子標的治療のターゲットになり得ることが示唆された。
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