2005 Fiscal Year Annual Research Report
陣痛発来機構の解明と分娩を調節する新しい因子の発見
Project/Area Number |
17591735
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻田 和秀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80379247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90240845)
筒井 建紀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294075)
天満 久美子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60397718)
西森 克彦 東北大学, 農学研究科, 教授 (10164609)
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Keywords | オキシトシン / 分娩 / プロスタグランディン / 遺伝子欠損マウス / 新規遺伝子 |
Research Abstract |
哺乳類の生殖において、分娩という現象について、現在まで種々の研究が行われてきたが、すべての哺乳類が一定の期間の後陣痛が起こり、分娩するのかについては正確な理解には至っていない。現在までの所、哺乳類の陣痛発来にはオキシトシン(OT)系とプロスタグランディン(PG)系が重要であると考えられており、PG系の遺伝子を欠損させたマウスの分娩が観察されてきたが、それらの知見からOT系が少なくともマウスの分娩には必要不可欠であるのではないかと考えられるに至った。そこで我々は、OT受容体の欠損(OTR-/-)マウスを作成し、その分娩を観察し、さらにどのような物質が関与しているかを網羅的に検討することで哺乳類の陣痛発来についての理解を深める事を目的として本研究を開始した。 予備実験では、オキシトシン受容体(OTR)の欠損マウスは正常に分娩し、必ずしもPG系が代償する訳ではない可能性が強く示唆される結果が得られたので、他の代償機構を検索する目的で、妊娠18.5日目の子宮からcDNAライブラリーを構築し、変化のある遺伝子をSubtractive Suppressive Hybridization(SSH)法で検索し、positive cloneのスクリーニングを施行し、プラスミドにサブクローニングしたところ、現在までに計170個以上の分娩に関係すると考えられるクローンが得られた。これらをDNA sequencerで塩基配列決定を進めているが、いくつかの転写因子などきわめて興味深い遺伝子の存在が明らかになって来た。 また、同時に行った予備実験ではLPS受容体であるCD14の増加が認められた事から、OTR-/-マウスと野生型マウスの子宮にLPSを添加し、LPS下流にあるNFkB, COX-2,PGE2などの発現をELISAで検討したが、OTR-/-マウスの妊娠末期子宮筋ではLPS感受性が有意に上昇していることがわかった。現在、この系が代償機構である可能性がないか検討を進めている。
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Research Products
(4 results)