2005 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯圧迫による山羊胎仔の行動と脳神経幹細胞への影響
Project/Area Number |
17591749
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
川越 靖之 宮崎大学, 医学部, 助手 (70336311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 浩 宮崎大学, 医学部, 助教授 (50274775)
坂本 紘 鹿児島大学, 農学部, 教授 (20041650)
池ノ上 克 宮崎大学, 医学部, 教授 (60232211)
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Keywords | 低酸素症 / 新生児脳症 / 臍帯因子 |
Research Abstract |
実験1年目は、羊胎仔を用いて慢性実験モデル(臍帯圧迫モデル)の作成に取り組んだ。まず、pretermの羊胎仔を用いて手術を行い、実験モデルを作成した。 妊娠108-110日(term=147日)に妊娠羊を全身麻酔下に手術を行った。麻酔後、母獣を開腹、子宮を切開し胎仔の上半身を子宮外に出し、胎仔の前脚に動脈、静脈にpolyvinyl製のカテーテルを挿入し、それぞれ胎仔動脈血の採血、薬物の注入に使用した。羊水腔には子宮内圧の測定および生理食塩水を注入できるようカテーテルを挿入した。臍帯付着近位部には、蒸留水を約3ml注入することで繰り返し臍帯を圧迫することができるバルーンを装着した(cord occluder)。また手術の後は、最低3日間の回復期間をとり、実験を開始した。 実験は、cord occluderに蒸留水を注入し、90秒間の臍帯圧迫を7〜11回/日、30分毎に4日間を通じて行った。90秒の臍帯圧迫で、胎児心拍数は約150bpmからnadirでは約80bpmまで低下し、一方胎児血圧は上昇した。臍帯圧迫を解除すると、胎仔心拍数は回復、血圧も次第にコントロールレベルまで低下し次第に回復した。胎仔動脈血の分析では、臍帯圧迫に伴い、PaO_2、pHは低下、PaCO_2は上昇したが、その30分毎の間欠的圧迫で、圧迫期間中に進行するアシドーシスは認めなかった。 実験終了後Day4に胎仔をsacrificeし、頚動脈からformalinを還流させ胎仔脳を固定した。残りの臓器も保存を行い病理学的な検討を行う予定である。
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