2006 Fiscal Year Annual Research Report
出血性ショックに続発する多臓器障害に対する代用血液および保存血の影響
Project/Area Number |
17591898
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
相星 淳一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50256913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 保博 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (70125079)
小池 薫 京都大学, 大学院医学研究科, 教授 (10267164)
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
小林 哲幸 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50178323)
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 助教 (00318528)
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Keywords | 出血性ショック / 多臓器障害 / 保存血 / 腸間膜リンパ液 / 代用血液 / 好中球 |
Research Abstract |
ラット出血性モデル(平均動脈圧40mmHg、30分)を作製し、腸間膜リンパ液を採取して、リンパ液中のtumor necrosis factor(TNF)とcytokine-induced neutrophil chemoattractant-1(CINC-1)を測定した。国内外におけるこれまでの研究によると、TNFやinterleukin-6が有意に増加することが報告されている。我々も同様にTNFの増加を確認するとともに、新たなメディエータとして著明に増加したCINC-1の存在を証明した。CINC-1はCXCサブファミリーに属するケモカインで、interleukin-8(IL-8)と相同性が高く、類似した生物活性を示し、また、IL-8は多臓器障害の発症と強い関連性があることから、腸間膜リンパ液中のCINC-1は出血性ショック後の肺傷害に関与することが示唆される。また、出血性ショックに対する蘇生輸液として代用赤血球を投与し、これらのサイトカインに対する影響について検討した。代用血液による蘇生により、TNFおよびCINC-1は有意に低下することを明らかにした。 同様のラット出血性ショックモデルを使用して、ショック後の腸間膜リンパ液中の脂質メディエータにっいても検討を行った。脂質メディエータの抽出および質量分析は、お茶の水女子大学(小林哲幸教授研究室)で測定を行った。出血性ショック群の腸間膜リンパ液にはリノール酸lyso-phosphatidylethanolamine(LPE)、リノール酸lyso-phosphatidylcholine(LPC)、アラキドン酸LPE、アラキドン酸LPCが有意に増加することが確認され、来年度も他の脂質メディエータとともに検討を継続する。
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Research Products
(1 results)