2005 Fiscal Year Annual Research Report
自由電子レーザーが歯のエナメル質と象牙質に及ぼすablation効果とその応用
Project/Area Number |
17591927
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
寒河江 登志朗 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (20112948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 裕之 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (70256890)
佐藤 勇 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (30013387)
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Keywords | 自由電子レーザー / エナメル質 / 象牙質 / ablation / レーザー波長 / レーザー切削 |
Research Abstract |
レーザーの物質に対する作用はablation効果として知られており,これは比較的低エネルギーで起きる熱的なものと高エネルギーで生じる機械的なものに分けられる.歯のエナメル質と象牙質は充分なエネルギーのレーザー光によってピットあるいはホールが形成されるが、自由電子レーザーを用いた場合には,ピット形成には波長依存性があり、熱はほとんど発生していない.そこで次の2点について日本大学電子線利用研究施設LEBRAのLINACを利用したアンジュレーター型自由電子レーザーFEL発生装置で1.0μから6.0μの波長のレーザーを発生させて試料に照射する実験を行った。 1.レーザーの歯に対する熱的ablation効果と機械的ablation効果の評価 Er:YAGレーザーはエナメル質を切削できるが、周囲に熱履歴を残すことが知られている。自由電子レーザーによるピット形成では、照射レーザーのパワーと形成されたピットの深さには相関が認められ、熱履歴が残っていないと推定された。 2.歯科臨床応用に適するレーザーの選定 歯科におけるレーザーの利用は急速に拡大し、治療・診断の目的に応じてレーザーの使い分けがなされているが、その理論的背景および実際の治療成績にはまだ統一的見解が示されていない。歯の硬組織であるエナメル質と象牙質の切削に最適なレーザーを探索する目的で、波長可変の自由電子レーザーで実験を行った。自由電子レーザーの波長可変特性を利用して、歯のエナメル質・象牙質のピット形成における波長依存性を調べた。その結果、0.1μオーダーではあるがエナメル質と象牙質のピット形成最適波長にはズレがあることが知られた。
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