2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592007
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
高水 正明 Tsurumi University, 歯学部, 教授 (30089411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池島 巌 鶴見大学, 歯学部, 助教 (50222865)
大森 かをる 鶴見大学, 歯学部, 助教 (80213867)
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Keywords | 漂白 / エナメル質 / 象牙質 / 過酸化水素水 / 有機質 |
Research Abstract |
生活歯の漂白の機序を解明するために、平成17年度は生活歯のエナメル質表面からどこまで漂白効果が出現するかを測定し、漂白剤がエナメル質を通過する可能性について抜去歯を用いて調べた。その結果、漂白剤はエナメル質を通過し象牙質まで達することが分かった。しかし、この実験系では生活歯の歯髄内圧が考慮されていなかったため、平成18年度には歯髄内圧をかけて漂白剤がどこまで浸透するかについて調査したところ、ホームブリーチ(患者自身が家庭で行う方法)でもオフィスブリーチ(歯科医院で行う方法)でもエナメル質を通過して象牙質まで達することが明らかとなった。今年度は、通常臨床で行われるこの二種の漂白法を比較してみた。オフィスブリーチを行ったエナメル表面は不透明な白さになりやすく、ホームブリーチを起こった場合には透明感のある自然な白さが得られるという報告がある。この理由として、オフィスブリーチが主にエナメル質や象牙質表層に限局した漂白作用を持つのに対し、ホームブリーチは象牙質深部まで漂白されると考えられている。この研究では、ヒト抜去小臼歯から試片を作製し、ホームブリーチでは10%過酸化尿素で1日6時間計2週間と4週間漂白を行い、オフィスブリーチでは35%過酸化水素にて計5回漂白を行った。光電色彩計を用いて、CIEのL*a*b*値を求め、これらの値から算出した白さを表すW値より漂白前後の白さの差Δwを計算し両方法を比較してみた.その結果、両方法に差異は認められなかった。これまでの結果から、漂白剤は象牙質まで達することが明らかとなった。しかし、象牙質まで多量の漂白剤が到達すると、臨床では知覚過敏がひどくなると考えられるのに実際にはそれほど出現しないで漂白効果が得られるのは、エナメル質表層で漂白効果が得られる変化が起きているとも考えられるので今後も漂白の機序解明に更なる研究が必要である。
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Research Products
(4 results)