2007 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜免疫を応用した要介護高齢者のカンジダ性義歯性口内炎等の新しい予防法の開発
Project/Area Number |
17592033
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
永松 浩 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (70275444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小城 辰郎 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (80153542)
井上 博雅 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20137326)
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Keywords | 粘膜免疫 / Candida albicans / 口蓋偏桃 / 粘膜組織 |
Research Abstract |
ウサギへCandida albicans(以下カンジダと略す)死菌全菌体を6週間扁桃投与すると唾液IgA抗体が誘導される。これまで、誘導された唾液抗体は、ヒト上皮細胞やレジンプレートへの付着を大きく阻害する能力を持つことを示した。本研究では、唾液IgA抗体を誘導したウサギの口腔内にカンジダを接種し、口腔内定着や感染防御における役割を調べた。 扁桃投与により唾液抗体を誘導したウサギロ腔へ高密度(2×10^8個)のカンジダを2から3回接種した場合、接種数日間に口腔内から回収されるカンジダ数は、対照の非免疫ウサギと比較してほとんど違いは認められなかった。 しかし、このときの投与菌密度は生理的密度と比較して少なくとも百倍以上高い。そのため、唾液抗体の排除能力を大幅に超えて菌体を接種した可能性があると考えた。そのため、投与菌密度少なくして唾液抗体の影響を調べる必要がある。そこで菌密度を下げた条件でカンジダ生菌の口腔内投与を行い、口腔内にカンジダを定着できる条件を検索した。 低密度(2×10^6個)のカンジダ懸濁液を非免疫ウサギへの口腔内に滴下した。口腔内での経日的な菌数は、投与後約7日間連続して増加し、以後1週間以上高い菌数を維持した。口腔粘膜に白斑や炎症を伴うような感染像は認められなかった。しかし、頬粘膜組織の消化や、組織学的検索から一部からカンジダの組織内への侵入が認められた。さらに血清中にカンジダに対するIgG抗体が生じていた。 以上から、培養したカンジダ生菌は投与初期には、口腔粘膜組織に侵入し、投与を繰り返すと不顕性感染を生じる能力を持つことが示された。
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