2006 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスと骨芽細胞・骨芽様細胞を用いた骨形成・骨再生の総合的基礎研究
Project/Area Number |
17592063
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
楠美 昭則 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90332494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寿 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90311539)
榊 宏剛 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (90374850)
楠美 智巳 弘前大学, 医学部, 講師 (90322932)
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / ストレス / シグナル伝達 / 発現制御 |
Research Abstract |
1.ヒト骨芽細胞に対するCTS負荷による骨代謝調節因子産生の影響及びシグナル伝達経路の解析 申請当時の解析方法が進化し、DNA array法としてSentrix^<TM> Human-6 Expression BeadChip(モリテックス社)を用いて解析した。その結果、正常ヒト骨芽細胞内ではCTS負荷に関与する遺伝子は、Rasの他、TNFレセプターfamily、チューブリンfamilyなどであった。また、骨形成に関与する核内転写因子(NF-κB、Runx2/Cbfa1、Osterix、Msx、Dlx5、Smadファミリー等については、DNA arrayでは特に変化は認められなかった。 2.当大学樹立マウス骨腫瘍由来細胞株NHOSの解析 2年目で行う予定だったが、本学動物実験施設内で害虫が広範囲で発生し、駆除のため施設の閉鎖の時期が長く実験できなかった。 3.CTS負荷による骨芽細胞とRas遺伝子関与 OPG産生の継代による影響について、正常ヒト骨芽細胞は5-6継代可能である。OPG産生は、継代し続けると産生能は亢進する。しかしCTS負荷した骨芽細胞ではOPGは第一継代ではCTS負荷により誘導されるが、継代を重ねるに従って逆転し、第三継代ではOPG産生が抑制される。RANKLについては、sRANKL産生では第一第三継代では有意差は認められなかったが、RANKL mRNAの発現では、第一継代細胞では、CTS負荷によりRANKL発現が抑制されるが、第三継代細胞では、RANKL発現が増強された。さらに、メカニカルストレスで産生・発現が誘導されるオステオポンチン(OPN)のタンパク・mRAN、Cox-2 mRNA、一酸化窒素(NO)産生については、継代にかかわらずCTS負荷により産生・発現は誘導された。MAPK解析では、第一第三継代でCTS負荷後ウエスタンブロッテイング法では、第一継代では、CTS負荷後15分でp38MAPK活性化、ERK1/2は不活化し、第三継代ではp38MAPK活性化、ERK1/2の不活性化した。つまり、第一継代はCTS負荷によって活性化しないが、第3継代細胞ではCTS負荷によりERK1/2が活性化することを見出した。
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