2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管肉腫発症におけるチロシンキナーゼ型受容体の関与についての研究
Project/Area Number |
17592086
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
汪 華 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50363081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 雁 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50332797)
吉子 裕二 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20263709)
前田 憲彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60049418)
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Keywords | Tie2 / Angiopoietin / Hemangioma / Angiosarcoma / Fibrous growth factor 23 |
Research Abstract |
ヒト血管肉腫細胞株ISO-HASとISOS-1、血管肉腫、血管腫の組織および健常人の組織あるいは血液よりTotal RNAおよびDNAを抽出し、Tie2遺伝子のチロシンキナーゼ領域の変異の有無をRT-PCR、PCR-SSCP、PCR-RELF,Direct sequencingで解析した。血管肉腫細胞株ISO-HASとISOS-1ではTie2の遺伝子変異を認めず、Ang2,Tie2およびFGF23 mRNAの高発現を認めた。さらにTie2野生型遺伝子、G833D或いはQ837Hの変異遺伝子を導入した血管内皮細胞を用いて、Tie-2チロシンキナーゼリン酸化活性及びシグナ伝達を検討した。その結果、野生型細胞では、アンギオポイチン1に依存した活性を認めたが、G833D細胞およびQ837H細胞では、アンギオポイチン1に依存しない恒常的自己リン酸化活性を認めた。アンギオポイチン1存在下で、アンギオポイチン2は濃度依存的に野生型細胞のTie2チロシンキナーゼリン酸化活性を抑制したが、G833D細胞では、アンギオポイチン2による抑制を認めなかった。各細胞におけるFGF23 mRNAの発現を半定量RT-PCRにて検討した。野生型Tie2遺伝子導入した細胞と比較して、G833D細胞ではFGF23 mRNAの高発現を認めた。そこで、我々は、Adeno-X^<TM>現系を用いてFGF23の組換えアデノウイルスを作成し、培養細胞に対する影響を検討した。FGF23の過剰発現は細胞増殖能の影響を認めず、骨芽細胞の石灰化ノジュールの形成に抑制的に働く結果が得られた。また、器官培養でFGF23の過剰発現は新生骨の石灰化の抑制を認めた。これらの結果は、FGF23がヒト血管腫瘍の腫瘍性骨軟化症に深く関与している可能性を示唆していると共に、Angpoietins/Tie2シグナルはFGF23の発現および血管内皮細胞の分化能の調節に重用な働きをしていることを示唆している。
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Research Products
(2 results)