2006 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節疾患のMR画像における滲出液像の本態解明と診断的意義の確立
Project/Area Number |
17592118
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出村 昇 金沢医科大学, 医学部, 講師 (60188703)
利波 久雄 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70139773)
吉竹 佳の 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00150764)
金山 景錫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50329380)
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Keywords | 顎関節疾患 / MR画像 / 滲出液像 / 関節滑液 / 生化学的解析 |
Research Abstract |
顎関節症のT2-MR画像における滲出液像(JE)の病態を明確とし診断的意義を確立する病因解明ために以下の臨床的研究を遂行した。 26例の顎関節症患者(OA群、ID群)および対照群(無症候者7名)の上関節腔滑液を希釈回収して生化学的分析を行った。この結果、滑液中の平均総蛋白量は患者群(OA群:2485μg、ID群:1353μg)が対照群(615μg)より有為に高値を示した。しかし患者群でのJEとの比較で一定の傾向は認めなかった。また滑液中に検出されるsubstance-Pについて、54関節の顎関節症滑膜組織において免疫組織化学的検討を行ったところ、患者群87%、対照群50%で陽性を示した。また血管内皮細胞中のsubstance-P陽性細胞比は、患者群で有為に高かったが、内視鏡診断での滑膜炎重症度との相関はなかった。また滑液中Interleukin-8(IL-8)について44例の患者の滑膜組織において免疫組織化学的検討を行ったところ、主に血管構成細胞を主体に患者群80%、対照群25%で陽性を示した。しかし滑膜組織中のIL-8陽性細胞密度はJEとの相関はなかった。 以上の結果より、顎関節症におけるJEの発現には種々の炎症物質など滑液中の蛋白量が関与することが明らかとなった。今後引続きさらに詳細な分析が必要である。
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