2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯・歯根膜・歯槽骨の三次元形態に基づいた新たな矯正学的歯の移動方法の明確化
Project/Area Number |
17592126
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉晃 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (00250465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 順一郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90151232)
岡本 亨 北海道大学, 病院・助手 (30301914)
日下部 豊寿 北海道大学, 病院・助手 (80322824)
梶井 貴史 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60322822)
菅原 由紀 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50360920)
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Keywords | オーダーメード治療 / 三次元データ / 歯・歯根膜・歯槽骨系 / computed tomography / 歯の移動 / 口唇閉鎖状態 / 睡眠 |
Research Abstract |
歯科矯正治療を実施する上で現在直面している問題は、個々人の持つ解剖学的・生物学的な背景を明確にできていないため、個人にとってもっとも適切な治療(オーダーメード治療)を実践しにくいという点、および個々人のもつ歯周組織の環境が異なることから、目的とする位置に歯を動かせないという治療自体の限界があるという点である。このことは治療期間の延長や治療中の歯の痛み、さらには歯根吸収や歯根帯縮を伴う歯槽骨の喪失といった問題につながると考えられ、早急な対応が必要な分野である。本科学研究費補助金基盤研究(C)においては、オーダーメード治療を前提とした基礎研究を行った。初年度においては、ドライスカルをcomputed tomography(CT)にて撮影し、三次元再構築ソフト(購入備品)によって、CTからのデータを最小単位のボクセルデータから構築し、歯、歯根膜、歯槽骨の分離をはかった。これより、歯の移動に際しては、上記各々の三次元的な位置関係および上顎洞を含めた位置関係を十分に認識することの必要性が示唆された。また、本三次元データから三次元有限要素解析のモデルにそのまま変換できる目処が立った。一方、生物学的な背景としては、患者個人の口唇の閉鎖状態が歯の移動に影響を与えうるとの仮説に基づき、あらたに口唇閉鎖状態連続記録装置を開発し、個々人における口唇の閉鎖状況を脳波のデータとともに解析し、個人差の有無について検討を行った。この結果、正常咬合を有するものについても、口唇の閉鎖状態には多様性があり、与える刺激状況により口唇の閉鎖状況は大きく異なることが示唆された。特に、日常生活の1/3をしめる睡眠時においては口唇を開いている状況が多く見られ、オーダーメード治療を考える上で重要な要件になることが示唆された。
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Research Products
(2 results)