2006 Fiscal Year Annual Research Report
新人看護師の職場適応を促進するためのプログラムの開発と導入の検討
Project/Area Number |
17592201
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
白尾 久美子 静岡県立大学, 看護学部, 助教授 (80269703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 佳子 愛知県立看護大学, 看護学部, 教授 (80143254)
佐野 明美 愛知県立看護大学, 看護学部, 助手 (80381911)
若山 隆 日本福祉大学, 学生相談員, 主幹 (40410766)
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Keywords | 新人看護師 / 職場適応 / 介入プログラム |
Research Abstract |
本研究は、新人看護師の職場適応を促進するために、ストレス対処能力を高める介入プログラム(以下プログラム)の開発・実施・評価を目的とする。プログラムは、9施設の病院に平成18年度に就職した新人看護師209名を対象とし、就職後6ヶ月にストレスやコーピングに関する知識の提供と自己評価を勤務施設外の会場にて実施した。 プログラムの評価は、研修直後に現在の思いについての自由記載と、プログラム実施前(就職後3ヶ月)・後(就職後6ヶ月・12ヶ月)に質問紙調査を行った。研修前後の調査内容は、ストレス認知、看護師職場コミュニティ感覚、看護師用ストレス反応、新人看護師自己評価、コーピング[神村のTAC-24]等であった。本研究はA大学研究倫理審査にて承認を得た。 研修直後の自由記載は、意味内容の類似性によりカテゴリ化した。有効回答率96.1%で、データ数223件であった。テーマ『』カテゴリ【】とする。『現在の仕事に対する評価』、『仕事に対する将来展望』、『研修会の効果』のテーマが抽出され、【日々の苦悩】、【指導に対する不満】などネガティブなカテゴリが多くみられたが、【仕事に対する肯定的自己評価】などポジティブな思いも認めた。『研修会の効果』では、【ストレス状況の理解】【新たな気づき】など、プログラムの効果を示すものが多かった。 プログラム前後の質問紙調査の回収率は、3ヶ月66.5%、6ヶ月69.3%、12ヶ月62.2%(分析中)であった。ストレス反応は、「身体的反応」において6ヶ月が有意(p<.01)に減少し、「情動的反応」、「認知・行動的反応」においても減少した。ストレス反応の影響要因である看護師職場コミュニティ感覚は、「同僚への信頼感」が6ヶ月で有意(p<.01)に増加し、自己評価では「肯定的評価」が有意(p<.01)に増加した。 プログラムへの参加が自己のストレス状況や職場環境などを見直す機会となったと推測される。今後は、研究者らの介入以前に実施した調査と比較しながら考察を加えていきたい。
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