2005 Fiscal Year Annual Research Report
看護教員の臨床経験を基盤としたナラティブ・プロダクトによる教育方法の展開
Project/Area Number |
17592207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大池 美也子 九州大学, 医学部, 教授 (80284579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 悦子 九州大学, 医学部, 教授 (60204905)
原田 広枝 九州大学, 医学部, 助教授 (60380383)
長家 智子 九州大学, 医学部, 助教授 (70207976)
山本 千恵子 九州大学, 医学部, 助手 (80363357)
末次 典恵 九州大学, 医学部, 助手 (60363355)
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Keywords | ナラテイブ / 臨床経験 / 教育方法 / 看護学教育 |
Research Abstract |
本年度の実施計画は、1)文献収集と文献検討、2)物語導入に関する教育方法学的検討、3)看護学教育に関わる教員の臨床経験に関する語りに関するデータ収集である。1)及び2)については、本研究の第二段階に示した"Learning of through storytelling Higher Education-Using Reflection and Experience to improve learning"を講読しながら臨床経験のナラテイブと教育方法との統合について検討している。ナラテイブを用いる理由には、情動的開放や体験からの学び、あるいは実践への変化をもたらす、があり、これらは、臨床経験を語る教育の効果になりうるものと思われた。 3)については、看護教員の属性、臨床経験、臨床経験を語る授業への応用に関するアンケート調査用紙を作成し、全国看護系大学や三年課程の看護専門学校などを対象として、調査を行った。172校の学部長や専攻長などに調査を依頼し、了承を得られた看護系学校(85校)に対し調査用紙(1039名分)を配布、510名を回収した(49%)。その結果、78%の看護系教員は、授業などで臨床経験を語ることを重要と考えており、学習の動機づけ(63%)や看護への意欲向上につながる(57%)と回答していた。94%の教員が、授業などで自分の臨床経験を語っており、それらは、うれしかったことや学んだことが含まれていた(複数回答)。これらの結果は、看護教員が、臨床経験に対し何らかの気持ちを抱いていることでもあり、その意義があることへの認識を示すものといえる。また、臨床経験は雑談としてではなく、授業内容と関わりの深い臨床経験を語る傾向にあることが伺えたが、学習効果や評価に対する認識は高くなかった。これらについては、平成18年度日本看護学教育学会(平成18年8月)において発表できるよう準備を進めている。また、154校に配布したなかで、インタビューに対する81名の協力者があり、役割分担し、計画的にインタビューできるよう進めている。
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