2006 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植患者と家族のスピリチュアリティとスピリチュアリティを支える看護ケアの開発
Project/Area Number |
17592246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 優子 京都大学, 医学部, 教授 (50284120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅美 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50293808)
吉谷 啓次 岡山大学, 文学部, 助教授 (50230719)
赤澤 千春 京都大学, 医学部, 助教授 (70324689)
森本 美智子 鳥取大学, 医学部, 助教授 (50335593)
宮田 雅子 京都大学, 医学部, 助手 (30432313)
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Keywords | 臓器移植患者 / 家族 / スピリチュアリティ / スピリチュアルケア / 現象学 |
Research Abstract |
[研究計画]本研究は、臓器移植患者および家族のスピリチュアリティを明らかし、スピリチュアリティを支える看護ケアの開発を目的としている。本年度は、臓器移植を受けたレシピエントとその家族のスピリチュアリティに関するデータ収集および分析を行い、スピリチュアリティについて検討することである。研究の前提は、人間存在の時間性を基盤にしたハイデガーの現象学である。研究方法は、その人が世界に対してどのような意味連関を作り上げ、自己を解釈的に構成しているかを分析し、臓器患者や家族のスピリチュアルケアを検討するものである。 [研究の経過]前年度に引き続き、文献レビューを通して日本人におけるスピリチュアリティのとらえ方などを含むスピリチュアリティの概念の検討を重ねた。また、ハイデガー現象学について学習を継続し、研究者間での理解を深めていった。肝移植を実施したレシピエントとその家族の面接を実施し、その内容をハイデガーの現象学やスピリチュアリティ概念に照らし合わせて解釈していった。その結果、家族との関係性、医師との関係、自然との関係性、やり残したこと、生きてきた価値、どう生きたいのか、人として尊重される存在、自己の死の意味、がスピリチュアリティと関係していることが見えてきた。そして、癒されたり、気持ちが安らいだり、苦しみからの解放される感覚がスピリチュアリティに重要な要素であることが見えてきた。分析結果を通して、精神と身体が融合するスピリテユアリティを日本の文化でどのようにとらえるかを含めた議論を重ねている。
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