2007 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植患者と家族のスピリチュアリティとスピリチュアリティを支える看護ケアの開発
Project/Area Number |
17592246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 優子 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (50284120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 常雄 岡山大学, 教育開発センター, 教授 (50004049)
長谷川 雅美 金沢大学, 医学研究科, 教授 (50293808)
吉谷 啓次 岡山大学, 文学部, 准教授 (50230719)
赤澤 千春 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70324689)
森本 美智子 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50335593)
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Keywords | 臓器移植患者 / 家族 / スピリチュアリティ / スピリチュアルケア / 現象学 |
Research Abstract |
〔研究目的〕本年度は、臓器移植患者およびその家族のスピリチュアリティを明らかし、スピリチュアリティを支える看護ケアを開発することを目的としている。 〔研究方法〕臓器移植を受けたレシピエントとその家族に個別面接を実施し、人間存在の時間性を基盤にしたハイデガーの現象学を研究の前提にして固有のスピリチュアリティを明らかにした。すなわち、その人が世界に対してどのような意味連関を作り上げ、自己を解釈的に構成しているかを分析した上で、臓器移植患者や家族のスピリチュアルを支える看護ケアを検討した。 [結果]臓器移植患者とその家族のスピリチュアリティとして、(1)尊厳たる宇宙との関係(生命ある自然との関係、神(神話、氏神、自然神)との関係、宗教との関係)、(2)家族との関係、(3)他者との関係(同病者との関係、医師との関係、看護師との関係)、(4)自分との関係(やり残したこと、生きてきた価値、この世に生を受けた証、どう生きたいのか、人として尊重される存在)、(5)死との関係(自己の死の意味、覚悟)がスピリチュアリティとして明らかになった。それらが、患者や家族の癒し、安らぎ、苦しみからの解放感となって、「生きる力、あるいは力の根源となるもの」としてのスピリチュアリティそのものを生み出していた。特に、日本人のスピリチュアリティは、生命ある自然との関係、神(神話、氏神、自然神)との関係の中で、「拝む」ことを通して身体と精神が融合させることがスピリチュアリティの根源となっていた。家族との関係性や医師(主治医)との関係性も強い根源となっていた。看護は日常のケアの中で看護師の共存在としてあり方が重要とされた。
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