2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
清水 嘉子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 俊子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部・臨床看護学講座, 教授 (00232992)
落合 富美江 静岡県立大学, 看護学部, 助教授 (20295554)
関水 しのぶ 東北女子大学, 家政学部・家政学科, 講師 (40350392)
藤原 聡子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (30405120)
松原 美和 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (40405121)
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Keywords | 母親 / 育児幸福感 / 尺度 / 支援プログラム / 育児ストレス / 開発 / 育児場面 |
Research Abstract |
1 育児幸福感と育児事情の実態把握 予備調査 育児によってもたらされる幸福感を増強するような支援を検討するため、ArgyleおよびLazarusの理論より育児幸福を情動的側面から捉え、育児している母親が肯定的な情動を「育児幸福感」とし、育児幸福感を感じる際の事情から、その実態を明らかにすることを目的とした。3歳以下の子どもを育児している母親に調査用紙を188名に配布し、育児中に安心、希望、愛情、喜び、感謝、同情、誇りをどの程度感じているか5段階評価をし、それぞれの情動を感じる育児事情について自由記述を求め、101名から回収された。結果として母親が育児中に感じる肯定的情動の中心は、愛情、喜び、感謝であり、希望、安心と続き、誇り、同情はあまり感じられていなかった。育児幸福感は20項目に分類され、主たる育児幸福感は「子どもの成長・発達・健康」及び「子どものしぐさ」などの子ども中心の構成であり、その他の育児幸福感は「周囲の援助・声かけ・つながり」他11項目であった。学会誌発表(原著) 国際学会発表 2 育児幸福感尺度の作成 本調査 本研究はLazarusの理論より育児している母親の肯定的な情動を「育児幸福感」とし、育児幸福感を感じる際の場面から、育児幸福感尺度を開発した。予備調査では3歳以下の子どもの母親を対象に育児中に安心、希望、愛情、喜び、感謝、同情、誇りの情動を感じる育児場面について自由記述を求めた。本調査では、予備調査より明らかにされた記述文を14分類64項目に集約し6歳以下の子どもを持つ母親を対象とし、5段階評価法による回答を求めた。有効回答の得られた739名の結果を最尤法によるプロマックス回転による探索的因子分析を行った。育児幸福感の場面は8因子に分類され、41項目となった。8因子は、「子どもの成長」、「希望と生きがい」、「親としての成長」、「子どもに必要とされること」、「夫への感謝の念」、「新たな人間関係」、「子どもからの感謝や癒し」、「出産や育児の意義」の構造が示された(各因子のα係数は.867から.768となった)。また、主観的幸福感尺度(伊藤他,2003)との相関は「夫への感謝の念」を除き弱い相関しか見られず、主観的幸福感と本研究の育児幸福感は、質的に異なる幸福感を測定していると解釈できた。また、母親の育児ストレスと幸福感とは、ごく弱い相関しかみられなかった。しかし、夫婦関係が良好に保たれて、夫のサポートを得られていることが、母親の育児幸福感としての夫に対する感謝の念に影響していることが示唆された。学会誌発表予定 3 育児幸福感についての母親に対する聞き取り26名を実施した。育児プログラムに必要な要素を抽出予定である。
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Research Products
(2 results)