2007 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児・者をもつ父親の「障害受容」とその支援に関する研究
Project/Area Number |
17592281
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
牛尾 礼子 Hyogo University, 健康科学部, 教授 (80281525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中桐 佐智子 吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (60071479)
郷間 英世 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40234968)
塚本 康子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60310554)
奥 祥子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40284921)
澤田 和子 吉備国際大学, 保健科学部, 助手 (00368721)
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Keywords | 重症心身障害児・者 / 父親 / 養育のプロセス / 父親の心情 / 父親の発達 |
Research Abstract |
本年度は、続けて、重症心身障害のある子を養育する父親に対する面接調査を行うとともに、最終年度であるために、研究成果をまとめた。 重症心身障害のある子を養育する父親の「障害受容」・「心情のプロセス」 父親は、(1)子に重い障害があることが判明したときショックを受ける、(2)すぐに、子を育てる決心をする、(3)子の障害を治すことに必死になる、など父親としての役割を意識し、遂行するようになる。 しかし、(4)会社を辞めるわけにはいかない、仕事が忙しい、と養育への参加から逃避する。このことは、家族を担うという、経済的な問題もあるが、障害のある子の父親になることに戸惑いと抵抗があると考えられる。しかし、父親は、(5)子に障害があることは常に意識にあり、会社を早期に退職する、遠方への転勤を断るといった協力は行っている。 (6)定年後は、子の養育に否応なく参加するようになる。(7)子の世話の多さと、困難さが認識でき、妻に対する詫びの気持ちが芽生える。(8)さらに、養育を通して子への愛情が深まり、それが子の養育を支えている。 父親は、子の養育過程で、複雑な心情をもつが、この時点で、やっと「父親になれた」といえる。さらに、父親役割を自覚することによって、(9)「子がいるから健康でおられる」、「夫婦の絆が強くなる」、など子に対する感謝の気持ちが生まれ、父親としての「養育の知」を獲得している。また、父親は、高齢になり体力が低下した時の養育や、子の将来に対する不安を強くもっている。
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Research Products
(3 results)