2006 Fiscal Year Annual Research Report
回復期リハビリテーション病棟における高齢脳卒中患者のQOLを高める看護援助
Project/Area Number |
17592290
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
酒井 郁子 千葉大学, 看護学部, 教授 (10197767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 由加里 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助手 (50344974)
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 助教授 (70237494)
末永 由理 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (10279838)
綿貫 成明 藍野大学, 医療保健学部, 助教授 (20270902)
遠藤 淑美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50279832)
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Keywords | 脳卒中 / 回復期 / リハビリテーション / 自我発達 / 看護師 / 看護理論 / 学習プログラム / QOL |
Research Abstract |
高齢脳卒中患者のQOL向上とエンパワメントを目的とした看護援助の基盤を「脳卒中患者の自我発達を促進する看護援助」理論とし,その臨床適用モデルを開発した.そして臨床適用モデルを作成し,それを元に,ワークブックを作成した.ついでこのワークブックを教材として看護師の学習プログラム(半年間で段階的に行う研修とワークブックを使用した看護実践自己評価)を作成した. 研究協力者はA病院14人,B病院23人であった.これらの協力者は半年間にわたって,一人あたり計4回の教育プログラムに参加し,その学習効果を参加者の変化,病棟における仕事実感の変化などのデータをもとに検討した.その結果,学習プログラム終了直後の評価に関する記述から,自己の実践の振り返りがなされたことが確認された.中堅看護師の参加が多かったため,システムの不備に気づきやすくジレンマを感じやすいという中堅看護師の特性も影響し,直接職務満足の得点は上昇しなかったが,仕事への自己効力や質の高いケアの実施などの評価は上昇していた.本教育プログラムを導入し実施する際には,看護管理者からの全面的な協力を得られるように交渉し看護管理システムを柔軟に変更できる可能性を確認し,看護師が学習の効果をすぐに実践に活用できるようにしておくことが必要であると考えられた.本研究で開発したワークブックにおいて,看護理論を活用して実践した看護援助の意義を明確にできるような評価方法とセットになっていたことで,研究参加者は自己の援助の意味づけが可能となった.教育の成果として患者中心の看護を実践することの必要性を理解した看護師が実際にそのような援助を実践できるように,回復期リハ病棟における看護管理の基盤として,人的資源のマネジメントは不可欠であると考えられた.
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