2007 Fiscal Year Annual Research Report
家庭内の高齢者虐待における支援ネットワーク作り及び教育・アセスメント指標の開発
Project/Area Number |
17592297
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大越 扶貴 University of Fukui, 医学部, 講師 (90352632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敦子 埼玉県立大学, 短期大学部・看護学科, 講師 (00352633)
高崎 絹子 放送大学, 教養学部, 教授 (50100607)
牧上 久仁子 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90238882)
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Keywords | 高齢者虐待 / 家族の関係性 / 援助職 / 心理的防衛機制 / 困難要因 |
Research Abstract |
研究実績の概要 1. 具体的内容 (1)高齢者虐待相談事例(東京都A区27事例)の家族の関係性に焦点をあて、家族の構造と機能の特徴を明らかにし、家族アセスメント指標の視点を抽出した。 (2)介護支援専門員へのインタビュー結果や先行研究等で明らかとなった援助職の高齢者虐待への認識の構造およびその結果生じる援助上の課題を基に、援助職が高齢者虐待対応に困難を感じる項目(40項目)を選定した。これら項目について5件法のリッカートスケール作成し、援助職を対象(B県B市、C県全域)に調査を行った。 2. 研究の意義・重要性 上記(1)では悪循環を起こす家族の関係性のパタンを家族の構造と機能の特徴から見出すことによって、パタン変化につながる介入の糸口となる。また援助職が高齢者虐待の生じている家族にもなぜ支援が必要か理解できる。 (2)では、高齢者虐待対応における困難要因が明らかとなり解決の糸口が見出せる。 3. 研究の成果 高齢者虐待が生じている家族の構造と機能の特徴として、居住環境が劣悪、世代交代(役割の分担・交代)がなされていないなど家族システムの固着があることが明らかとなった。B市の調査結果では、高齢者虐待において援助職が困難と感じる要因は6因子であった。対応スキル不足への不安である「対応不安」、虐待と認定することに対する不安である「虐待認知」、「職場の支援」、虐待対応のための組織間の連携に関する「連携システム」、援助職自身の家族規範や価値観に関する「規範・価値観」、援助職の事例家族に対する見方の「家族関係」が抽出された。
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