2006 Fiscal Year Annual Research Report
保健師の地区活動を促進する受持ち地区の規模と業務体制に関する研究
Project/Area Number |
17592304
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
志賀 たずよ 大分大学, 医学部, 助教授 (90305847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 知恵子 大分大学, 医学部, 教授 (00232421)
里見 美子 大分大学, 医学部, 助手 (20404379)
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Keywords | 保健師 / 地区活動 / 受け持ち地区 / 地区分担 / 業務分担 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度検討した調査分析の枠組みを参考に事例分析を行なった。A市は1市2町3村が合併した人口約136,000人、面積約700km^2の市で、合併前の市町村保健師ひとり当たり受け持ち人口・面積は、約1,400人〜5,600人、約8〜130km^2で、合併後は旧市町村の支所に基本的に合併前の保健師数をそのまま残した体制をとり、ひとり当たりの受け持ち人口・面積に大きな変更はなかった。しかし、各支所保健師は全市の保健事業に従事するため、そのための移動回数と時間が増加し、また、業務担当と支所保健師の役割が不明瞭、保健活動の目的・方法の不明確さなどの課題を抱えていた。管轄保健所保健師と市保健師が業務や目的、方法の検討、それに基づく人事体制の検討を行い、地区担当制を基本とする保健師配置を検討中である。 また、B県保健所保健師は業務分担制のため、受け持ち業務に関して、ひとりの保健師が受け持つ地区は所属する保健所の管轄市町村全域となり、人口・面積の市町村合併前後の変化はほとんどなく、約27,000〜127,000人、約130〜900km^2であった。保健以外の部門への業務拡大から保健部門の人員が若干削減され、保健師ひとりあたりの業務量が増加している。市町村保健師ではひとりの受け持ち人口・面積は、市町村合併前が約650〜6000人、約5〜90km^2、合併後が約1500〜4500人、約15〜35km^2であった。業務分担を中心とする地区分担制や、基本的に旧市町村に保健師数を減らして配置して地区を分担し本庁保健師が企画・政策・業務分担を行なうなど、様々な形態をとっていた。それぞれの市町村で保健師活動のあり方を模索しており、担当地区や保健師配置の変更が毎年行なわれている段階であった。 次年度はさらに事例分析を重ね、事例分析結果と文献検討結果を基に、地区活動経験豊富な保健所・市町村保健師と研究者とで保健師の地区活動を促進する受け持ち地区の規模や業務体制の条件を検討する予定である。
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