2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域で生活する知的障害児・者の性に対する看護・福祉協働支援
Project/Area Number |
17592323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
槌谷 亜希子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (00285545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠木 絵理 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (00275497)
松島 可苗 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (90382506)
内田 直子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (00326555)
阿保 順子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (30265095)
横井 寿之 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (80316257)
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Keywords | 知的障害 / ピアカウンセリング / 地域看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域で生活する知的障害者の性に対する看護・福祉共同支援として、当別町の健康増進計画活動拠点を活用したピアカウンセリング実践を実施、評価することである。 今年度の課題は、ピアカウンセリング実践に必要な構成要素を明らかにすることであった。ピアカウンセリング実践に関する情報収集として、国内では、北海道浅井学園、当別町等で実施されたピアカウンセリングの実際に参加した。また国外では、ミネソタ大学看護学部・思春期看護センターにおける「思春期男女への性に関する健康教育」プログラムの実際を視察し、健康教育者となれる人材の素質と養成方法、プログラム参加者のリクルート方法等について、現在の計画のコンサルテーションを受けた。 ピアカウンセリング実践においては、学校・家庭・地域の連携が重要である。今年度は、学校との連携について検討するため、高校教員および高校生の「性に対する考えの現状」についてデータ収集を行った。その結果、高校教員は、性の現状について「性行動の低年齢化」、「性感染症の増加」、「性情報の多様化」などを問題視していること、高校生から性の相談を受ける機会は少なくないが、「対応に自信がない」、「時間がかかる」などの理由から「相談を受けたくない」、「どちらともいえない」と考えていること、性教育の実施者として、「両親(母親、父親)」が適任と考えていることなどが明らかになった。また、高校生の性に対する考えの現状としては、性の現状について問題視していない傾向があること、高校生から性に関する相談を受けた経験がある者の多くは、「知識がない」、「どのように答えたらよいかわからない」等の理由で「相談を受けたい」とは考えていないこと、学校の性教育は「役立つ」と感じていること、性教育の実施者は「医療従事者」が適任と考えていることなどが明らかになった。 以上より、ピアカウンセリング実践を計画するにあたり、連携が必要な関係諸機関および対象者(ピアカウンセリングの参加者)の性に対する考えの現状を把握することの重要性が確認された。
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