2007 Fiscal Year Annual Research Report
教育、医療、福祉の場における芸術の役割に関する調査・研究-芸術と社会の関係性-
Project/Area Number |
17600027
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
森田 実穂 Kyoto University of Art and Design, 芸術学部, 准教授 (00368060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 博 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (20232796)
藤澤 三佳 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (00259425)
原田 憲一 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90134147)
土屋 和三 龍谷大学, 文学部, 教授 (00217332)
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Keywords | 芸術社会学 / 福祉とアート / 自然教育とアート / 自然の癒し効果 / 造形教材開発 / 造形ワークショップ |
Research Abstract |
研究代表者である森田は、芸術と教育の関連を研究するため、以下の活動をおこなった。6件に及ぶ地域の大人や子どもを対象とした美術ワークショップ等の造形活動をおこない、造形教材開発及び、芸術の社会的有効性に関する調査をおこなった。また同時に、高齢者福祉とアートとの関係や、アートセラピーに関して、さまざまな高齢者福祉施設や病院(計5件)において調査し、比較検討した。 研究分担者である上村は、芸術学の観点から芸術と社会との関係を考察し、京都という地域の有する美術館的な機能を考察した。京都は一般的な観光都市の域にとどまらず、『芸術的な対象としても重要な経験を提供するが、その性質は特定のモニュメントトや風景が中心をなすものではなく、種々の要素の複合的な作用がもたらすものである点、さらに、京都は芸術や文化という制度のありかたが端的に美術館都市として現前したものだといえる点を明らかにした。 土屋と原田は、芸術と自然との関係を考察した。土屋は自然教育とアートとの関係を調査するために、龍谷大学の付属の里山において小学生に対する木工アートワークショップをおこない、生徒が作った樹木名をつけた木工を山の中に展示した。原田は、自然景観が、人びとの精神状態を穏やかにし、安定させる癒し効果がある点を考察した。針孔(ピンホール)カメラを用いて、自然の動きを掬い取り、癒し効果があるかどうか予察的な検討を行い、ピンホール写真でのフォトセラピーは、画家、自然科学者、心理学者が共同して適正なプログラムを開発すれば、より大きな可能性が開けるものである点を導いた。 藤澤は、芸術社会学の観点から芸術と人間、社会との関係を、福祉とアートの交差領域において考祭した。言語化が困難でありアートを用いて自己表現しており、摂食障害、リストカット等の症状をもつ若者たちに生活史聞き取り調査をおこない、その作品を収集して、分析をおこなった。
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Research Products
(4 results)